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ビジネスとクリエイティビティの融合を目指す学校「Kaospilot」とは?

クリエイティブな力をビジネスに活かすことはできないか・・・。この発想は、デザインを生業とする人なら一度は考えたことがあるのではないでしょうか。広告やプロダクトのようにデザインを売るという方法ではなく、クリエイティブな思考そのものが持つ柔軟なパワーをビジネスの場に持ち込むことができれば、これまでにないイノベーションを起こすきっかけになるのではないでしょうか。

主体はあくまで学生

そんな発想で作られた学校がデンマーク第二の都市、オーフスにある「Kaospilot(カオスパイロット)」です。混沌(カオス)とした世界の中で、パイロットのようにナビゲートできる人材を育成したいとの意味が込められています。

この学校のユニークさは、なんと言ってもビジネス思考とデザイン思考を融合させている点です。学生は、ビジネススクールとして、マネジメントやリソースの活用法を学ぶ一方、デザインスクールとして、「ある役割、目的、効果のために何かを計画する」というデザイン思考を学びます。

その一例として、同校の授業の大半がワークショップ形式で進められるということが挙げられます。学生同士でディスカッションし、それぞれの目指す方向を伝え、助け合いながらゴールを見つけるスタイルです。教師は、学生たちのディスカッションを見ながら、必要に応じてアドバイスはしますが、基本的には学生たちが主体となって授業を進めていきます。

積極的に失敗することを推奨する

こうしたスタイルをとるのは、カオスパイロットが”Learning by Doing”(実行することで学ぶ)ことを重視しているためです。

一般的なビジネススクールは、座学を中心ですから「理論」で問題解決策を模索します。
しかし、カオスパイロットは、学生たちに講義や文献で得た知識をもとに、他人と一緒に
プロジェクトを「体感」し、「実践」しながら学ぶ手法が採られます。こうすることで学生それぞれの「発想力」や「想像力」が自然と引き出され、新しい解決策の糸口になるからです。

各プロジェクトは、企業やNPOと共同で行う実践スタイルですが、必ずしもうまくいくわけではありません。カオスパイロットの狙いはここにあります。
「失敗」は、新しい解決策を生み出す糧である―「失敗」から学ぶ大きさを知る先達による最高の授業です。この為、失敗を恐れず、積極的にプロジェクトを動かすことが推奨されています。

こうした取り組みが評価され、カオスパイロットは、2008年にBusinessWeek誌で世界の「ベストデザインスクール」に選出されました。

個人のクリエイティビティをトレーニングで引き出す

学校長のクリスター氏はこのように言います。
「クリエイティビティとは生まれ持った才能ではありません。スポーツのように継続的にトレーニングを積むことで高めることができるものなのです。」

その言葉が表すように、カオスパイロットには「即興劇」というカリキュラムがあります。生徒には直前までテーマを知らせず、その場で思いついたことを演じるというものです。ビジネススクールとは思えないユニークな授業ですが、誰もが持つクリエイティビティを引き出し、伸ばすためのトレーニングの一環として行われています。

失敗を奨励することで、個人のクリエイティビティを引き出し、自由な発想法が自然と身に付く実践的なビジネススクール、だからこそカオスパイロットには、将来のイノベーターを目指す学生が世界中から集まってくるのでしょう。

参考サイト:世界で最も刺激的なビジネススクール「The Kaospilots」の授業とは?

混沌とした世界を切り開く!
チェンジメーカーを育てるデンマークの“カオスパイロット”訪問記

画像: photo credit: kevin dooley via photopin cc

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