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老舗サービスブランドを一新する:Eventbriteデザインチームが取り組んだ3つの課題

この記事はイベント集客管理ツールEventbrideでブランドリニューアルを手がけたDavid Scott氏のブログ記事を公式に許可をいただき翻訳したものです。


全く新しいものに変えることなく、ブランドをより現代的に、そして新鮮にするにはどうすればいでしょうか? 創造性や表現力をさらに発揮できるようなビジュアル・デザイン原則をいかにしてつくれるでしょうか? 目標と意義のあるデザインシステムを築き、それを維持するにはどうすればいいでしょうか?

これらの問いは、Eventbriteのブランドを進化させる取り組みの第一段階を始めるにあたって、ここ最近自らに問うてきたことです。「第一段階」といったのは、今も進行中の試みの初期段階にすぎないからです。

ブランドリニューアルの目的は外部の注目を集めることでは決してありませんでした。良い仕事をすること、デザインにおける主要な課題を解決すること、そしてブランドを進化させていくプロセスのきっかけをつくることでした。

私たちは今までの仕事をとても誇りに思っています。また、私自身が進捗を記録するのが大好きなので、私たちが経験してきた挑戦をここで共有できればと思いました。


Eventbriteのブランドを進化させる要素

ではまず、はじめに私たちがしたことはなんでしょう? 主に二つのことです。どちらも根幹ではつながっていますが、目的は異なります。一つは社内のブランド体系づくりです。これは、社内で共有されている価値と信念と、組織とを一致させるためにつくりました。二つ目は、主要なデザイン原則を進化させることで、これはブランド体系に密接に関わっています。

私はEventbriteでブランドデザインチームを統括していますので、この記事は主にデザインをいかに進化させたかについて主に触れることにします。


Eventbriteのデザインラボ

ロゴの進化

この進化の目標は、私たちのビジュアル体系のあらゆる箇所を一つ残らず見直すことでした。もちろん、ロゴも対象でした。

ですが、私たちのアプローチは、ロゴを主観的に評価する前にまずは客観的な眼を通して見てみることでした。課題を特定して、それらを解決することがもっとも重要であると考えていました。多くの時間を評価に費やしたあと、現在のロゴには主に以下の3つの問題があることを突き止めました。

  1. 1. ロゴがボタンのように見えた。これによって、全体のデザイン内部で階層の問題が起きていた。また、UXの面でも問題になっていた。
  2. 2. 整列における課題。全体のレイアウトの中で、ロゴは水平にも垂直にも他の箇所と整列させることが難しかった。
  3. 3. 拡張性。サイズを小さくすると、ロゴはうまく機能しなかった。今後成長する上でモバイルファーストのデザインに注力していくという私たちの方針を考えると、これは大きな問題だった。

最終的には、これらの課題は文字を囲っていた箱の形を削除して、ロゴを文字のみのマークにすることで解決することができました。それによって、ロゴを現代的なものにして、初期のブランドストーリーの遺物をなくし(箱の形は、通り名を示すサインを模したものでした)、カスタマイズ可能で独特のものを作ることができました。

当然ながら、私たちはたくさんの実験とアイデア出しをしました。「E」の文字を作ることがこんなにも大変なことだと、誰が想像できたでしょうか?

微調整と試行錯誤しながらの作図を何度も繰り返して、最終的に心から愛せるものにたどり着くことができました。それぞれの文字が、設計段階で共有されたDNAを含んでいます。その共通要素によって文字同士が結びつき、初代デザインと新しいマークの間で明確な進化の糸を紡いでいます。

特に私たちがよかったと思っているのは、この進化はただ過去を消し去って、一から築き上げるということではないという点です。変化することを目的に変化しようとしているのでもありません。私たちが持っているものを見直して、何がうまくいっていて、うまくいっていないのかを見極め、その結果に応じてデザインをするという試みなのです。

イポグラフィーとカラーパレットを洗練させる

ロゴの改善に伴って、デザイン体系を構成している他の要素も再評価しました。タイポグラフィーと色です。

タイポグラフィーは、デザイナーとしての私の最大の情熱の一つです。タイポグラフィーは、多くのケースで良いデザインと悪いものを分けるものであると信じています。私たちの仕事はゴールからはまだほど遠い状態にあります。私たちが進化を継続する限り、Eventbriteでより良いタポグラフィーを追求し続けます。今回の更新においては、私たちのブランドのフォントであるBenton Sansを維持しつつ、重すぎる雰囲気を出していた太文字の過剰な使用を抑えました。その代わり、より微調整されたフォントを使う方向に変え、階層への細かい注意を払うようにしました。



さらに重点を置いたのは、カラーパレットの変更です。

オレンジ色は私たちのブランドカラーとして残しました。Eventbriteにとって、この色には資産価値があります。そして、システム全体を分析した結果、この色を完全に変える必要はないという結論に達しました。一部の細かい点は変更しましたが。以前のオレンジは非常に鮮やかで、他の色とうまく馴染みませんでした。アクセシビリティにも問題がありました。結果、デザインにおける使用範囲がとても限られていました。つまり、私たちはブランドにおいて、このオレンジ色に所有されている状態でした。この色に資産価値が付与されているにも関わらず、デザインにおいてそれを戦略的に活用することができていなかったのです。今回の進化において、ブランドカラーのオレンジをもっと他の色と使いやすいものにし、アクセシビリティも改善しました。これによって、今では体系の中でオレンジ色をより多くの目的で使えるようになりました。

私たちの以前のカラーパレットで使われていた他の色もまた、オレンジ色と同じパターンに陥っていました。全体として色同士がうまく馴染んでいませんでした。その結果、デザイナーは何度も同じ色を使うようになり、他の色は使われないまま残っていました。

今回のリニューアルで、色の数を限定した新しいカラーパレットに美しい青緑系の色をいくつか追加しました。この新しい色はお互いにすばらしく馴染み、統一感のあるカラー構成が実現しました。そして、より意図的にオレンジ色を使うことによって、デザインシステムにとってのカラーパレットがより汎用的なものとなると同時に、今後もデザインの資産価値を成長させていくことができるようになりました。


副次的なグラフィックの導入

今回のブランド体系の変更に関して最後に付け加えたい点は、今回新たに副次的なグラフィックを導入したことです。以下は、ジェシカ・ヒッシェが制作した美しいEventbriteのタイポグラフィーを切り抜いたものです。この文字はすばらしい線の表現を含んでいて、切り抜きのサイズに応じて、デザインの表現レベルをより多様にすることができます。必要に応じて、全体の構成要素により深さと複雑さを加えられるように、新しいカラーパレットにこれらも加えました。これはまだ芽が出始めたアイデアの初期段階なので、これから進化させていきたいと思っています。

Eventbriteのアプリ

Eventbriteのオーガナイザー向けアプリ

イベント掲載ページ

こんな感じです! Eventbriteにおけるデザインの進化の始まりを記録するにあたって、私の考えを簡単に紹介しました。デザインチームの全員が、ブランドデザイン体系における準備段階の構成要素を作るために懸命に働きました。シンプルに見えるかもしれませんが、非常に多くの思索と配慮が注がれました。これらの初期段階の仕事は、抽象的な大作というわけではありませんが、それは私たちが意図していたことでもありません。これは、ブランドとプロダクトとUXデザインのチームが互いに協力して、私たちのデザインの進化において実際に使えるようなものを生み出すために取り組んだ結果できたもので、ブランドの性格を表現するためのものです。

次のステップは、これらのビジュアルデザインをマーケティングの素材全般に使ってくこと、そして少しずつプロダクトのデザインに組み込んでいくことです。同時に、中心となるデザインシステム自体も継続して進化させていきます。イラストレーション、パターン、モーションデザインなどなど、やりたいことはまだたくさんあります。今後、プロダクトのデザインに関してわくわくするような変更もいくつか加える予定です。デザインチームとしてこれからも挑戦を続けて、プロセスの中でさらに成長していきたいと思っています。それはまさにEventbriteの哲学の中心にある姿勢なのです。

原文: Eventbrite Design: An evolutionary process
翻訳者: 佐藤ゆき

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