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事業フェーズに依存せず、ケイパビリティを高められる、シニアデザイナーのキャリア

こんにちは!root採用広報担当です。

rootは「Design Doing for More〜デザインの実践を個から組織・事業へ〜」をVisionに、事業の成長によりそい、デザインを実践しようとする人々を支え、世界をより良く前進させていくことを目指すデザインファームです。

今回は、大企業からスタートアップまで幅広い規模の新規事業プロジェクトをデザイン面から支援するシニアデザイナーの古里凌哉がCEOの西村と対談。変化しつつあるrootのクライアントワークのあり方を踏まえながら、シニアデザイナーのキャリア形成の方法、rootの環境だからこそ経験できることなどを語り合いました。

古里 凌哉(ふるさと りょうや)
rootのデザインプログラムマネージャー。HCD-Net認定 人間中心設計スペシャリスト。
東北芸術工科大学グラフィックデザイン学科卒業後、新卒で株式会社コンセントに入社。主に大企業向けのウェブサイトデザイン、アプリ開発、新規事業開発支援を経験。2018年rootに入社。デザイナーの価値とデザインプロセスの再現性を高めていくことを目指して、大企業からスタートアップまで様々な規模やフェーズの開発チームにデザイナーやデザインプロセスの導入を推進している。

西村 和則(にしむら かずのり)
rootのCEO。1985年生まれ。高知県出身。デジタルハリウッド卒業後、Webデザイナーとしてキャリアを歩む。 独立後、サービス開発に特化したデザインコンサルティングファームとして root を創業。 これまで数多くのスタートアップ立ち上げ、新規事業の成長支援をデザイナーとして支援。創業期を支援したスタートアップとしてD2CブランドのFABRIC TOKYO 、動画クラウドソーシングのCrevoなど実績を持つ。現在、Design Doing for Moreをビジョンに、組織におけるデザイン活動を個人から組織・事業へ広げクライアント組織の企業価値やユーザー体験を高めるためのデザイン・組織支援を行なっている。


変化しつつある、rootのクライアントワークのあり方

古里:前回のクライアントワークの可能性に関する記事を読んだ際、rootにおける企業の支援の形も変わってきているなと感じました。支援する企業の規模やフェーズもそうですし、マーケティングなど他領域への横展開も起きています。

具体的には、組織規模の大きい企業には横断型のデザイン組織の立ち上げを支援することで、組織内でも機能するデザインチームやプロダクト同士を横に繋ぐような構造が作られています。また、立ち上げフェーズにあるスタートアップの支援もしているのがスゴイところであり、rootの強みでもあると感じています。
一般的なデザイン会社の場合、スタートアップと仕事をすることは「リスク」と感じてしまい、なかなか支援することが難しいのですが、rootではスタートアップの支援にも力を注いでいます。さまざまなフェーズの企業を支援することは、デザイナーとしても多様な経験が積めると感じています。

西村:クライアントの組織規模を問わず、なるべく早い段階から組織やチームに接続できた方がデザイン活動を組織に浸透できるという考え方のもと、rootは企業の支援をしています。クライアント内にデザイン体制が組織化されていく過程でデザインの対象範囲はプロダクト以外にも当然およんできます。マーケティングの場合もあれば、ブランディングの場合もある。そういう形で支援の裾野が広がっていきます。rootは企業の成長に寄り添いながら、あえてデザインのセグメントに絞って、クライアントがデザイン組織を内製化するために必要なデザインの実行能力やノウハウを提供しているという感覚です。そこが一般的なデザイン会社との大きな違いになっているのではないかと思います。

古里:あえてセグメントを絞ることで、デザインというジャンルの中でメンバー同士のスキルの横展開、みたいなことも起きていますよね。

西村:そうですね、組織の中に深く入り込んで支援するからこそ、プロダクトもマーケティングも横断できるデザイナーのキャリアパスが実現できる状態になっています。事業会社の場合、配属されたポジションの中でやっていくしかないのですが、rootの場合は外部から支援する形なので組織内における役割を飛び越えられるんですよね。
事業のフェーズやクライアントの組織環境に依存せず、複数のプロジェクトや事業体に接続しながら経験を深められるところが、rootではたらくことの最大のメリットなのかなと思います。

シニアデザイナーに必要な「俯瞰して物事を見る能力」

古里:そういった点を踏まえると、rootの中でもシニアのデザイナーには「越境できるかどうか」が重要な能力になってきますよね。西村さんは未来のシニアデザイナーに必要な能力について、どのような考えをお持ちですか?

西村:キャリアを形成していく中で、事業フェーズの切り替わりや自分の今の役割、できることなどを俯瞰的に物事を見る能力が必要になってくると思います。この俯瞰的に物事を見る能力は比較する材料がいくつかあって、身につけられるものです。そういう意味では、rootは複数のプロジェクトに関わる機会が多いので、身につけやすい環境だと思います。

一般的な事業会社に所属していると、事業フェーズの切り替わりなどを考えている余裕はありません。やらなければいけないことが変わってきた中で、気がついたらPMF(プロダクト・マーケット・フィット)していたという感じになりがちです。事業フェーズが変わってきた中で生じる変異や兆候、「この状況になったら体制をこう変えなければいけない」といったことがノウハウとしても組織内にあり、それを学べるのはrootの特徴でもあります。

それに加えて、デザイナーのキャリアパスとして、自分がどのフェーズの経験をより高めていくのかもそうですし、どういうデザインのケイパビリティを自分が持っておくべきかを考える機会が多いのも、大きな特徴になっていると思います。

古里:さまざまな文脈で俯瞰しなければならない対象がありますよね。事業フェーズもそうですし、組織化の流れもそうです。一流のデザイナーやエンジニアが自分でたくさん手を動かしていた時代から、チームでアウトプットを出していく流れになりつつあります。

西村:そうですね。デザインが寄与する範囲が、いち個人のデザイナーのパフォーマンスだけでなく、プロダクトチーム全体に広がってきていると感じています。デザインを機能させるためにチームでどんな手が打てるのかを求められるようになっているので、必然的にチームのパフォーマンスをどうするかという観点が紐づきやすくなっている気がします。

古里:そこはシニアデザイナーに必要なスキルに繋がってきそうですね。越境するためには「俯瞰して物事を見る能力」が必要。あとは今、西村さんが言ったようにチームビルディングやチームマネジメントの観点が必要になりそうですね。

複数のプロジェクトを経験するからこそ、ケイパビリティを高められる


西村:デザイナーがデザインマネージャー、CDOというキャリアパスを実現するためのステップを考えたときに、その経験を積める事業会社はどこにあるのか? 多分、この問いに答えられる人はほとんどいないと思います。今、そのポジションに就いている人たちは、なかったポジションを作ったんです。今ないものを作り出せる状態にならなければ、デザインマネージャーやCDOになれないというのは、デザイン業界の現状なのかなと思います。では、ポジションを作り出すためにリスクを取ってスタートアップに飛び込むかと言われたら、それはあまりにもリスクが高すぎる。

「CDOをやってください」というオファーは確かにあります。ただ、組織内のデザインに対する理解や認識が高くなく、デザイナーに対して期待値が高いオーダーとなるケースをよく見ます。それではお引き受けするのが難しいなと。組織としてデザインをマネジメントできるという構造にはなっていかないので、これをどう崩していけるかが必要になります。

そうした中で、rootは事業フェーズに連動してるので、成長していく過程でデザインマネージャーやCDOの役割や求められることに、接続できる環境があります。一般的な事業会社の場合はすでにポジションが決まっており、なかなか幅広い経験を積むことができない。

rootの場合は例えば、複数のデザイナーをマネジメントする役割が一部外部化されてる状態の企業に接続し、そこを支援する状況が多くあります。デザイナーのキャリアパスとしてプレイヤーからマネジメント、経営というレイヤーに上がっていくための経験を積む機会を多く作り出せているのは大きなポイントだと思います。

古里:そうですね。これから役割を作らなければならないフェーズのクライアントが多いので、足りない役割に対して柔軟に対応していくことが求められる機会が多いなと感じます。事業会社に行き、そこで求められるスキルや要件定義、ポジションの中でスキルを伸ばしていくだけでは得られない経験を積めるチャンスがrootにはたくさんありますよね。

西村:事業会社の場合、組織の成長フェーズに応じて組織化されていくので、それに則りポジションが形成されていきます。実質的にはrootも同じように形成されているのですが、複数のプロジェクトにアサインされる構造になっているため、事業会社で1つのプロジェクトを経験している間にrootであれば2つ、3つのプロジェクトで経験を積むことができます。そこで自分自身のケイパビリティを高めていけることが大きな特徴だと思います。

「共感性」「アナロジー思考」をいかに発揮できるか


古里:シニアデザイナーがデザイン領域以外も含めて俯瞰できるようになるには、プロダクトチームが進むべき方向性やデザイナーが選ぶべき道を決める基準、いわゆるコンパス作りにおいて、各々の基準やズレなどの違和感をキャッチするセンサーをどこまで広げられるかだなと思いました。

西村:そうですね、経験を積んでいくと、デザイナーにもビジネス側の視点が必要になります。デザインというテリトリーの中だけを見てキャリアを形成してると、確実にスキルが足りなくなってくる。事業を作っていくという文脈で見たときに、デザインの外側にどんなものがあるのかを知りに行く機会をつくれていないといけないですね。

古里:コンパスを作るのはデザイナーだけが担う役割でもないので、プロダクトオーナーやプロダクトマネージャーなどを巻き込んで作っていくことが求められそうですよね。

西村:まわりを巻き込んで協働していくスキルはすごく問われると思います。また、物事を抽象的に捉える、言うなれば「アナロジー思考」は必須スキルになっていくと思うんです。これは他の職種も多分同じだと思うのですが、アナロジー思考をどう展開できるか。その能力があるほど市場的な価値が上がっていきますし、より求められるようになります。

特にCDOと言われるCxO職はアナロジー思考が必要なポジションだと思います。彼らは決してビジネスを作るわけではなく、経営や事業に対する解像度が高く、その周辺領域を知った上で、今までの経験を抽象化して応用しているだけなんですよね。

毎回新しいものをゼロから再発明しているわけではない。そのスキルを強化していくことで、使えるものの対象や関われるもののテリトリーがどんどん増えていき、最終的にレバレッジが効くということだと思います。

実務経験の中で「自分にしかない強み」を見出していく


西村:rootは必然的にアナロジー思考が求められる環境なんですよね。複数のプロジェクトを見ているという前提がある。それはなぜかと言われたら、比較するためなんですよ。
自分が経験してきたものをAとBで比較したときに、どういった違いがあるのか、善し悪しがあるのか。その違いが見えているかどうかが重要です。rootのクライアントワークを通じて、そのスキルは養いやすいと思います。単一の事業の場合、比較して違いを見つけるのは難しい。複数のプロジェクトを経験するからこそ、違いを見つけやすいと思います。

古里:あとは似てるところも見つけやすいですよね。

西村:はい、ひとつのケースで偶然うまくいったことの再現性があるかどうか?その実証がしやすいですよね。前回はこれでいってうまくいったけど、今回はこれで同じようにやれるのか、みたいな課題が発生するわけですよ。そのプロセスを繰り返していくことによって、結果的には再現性が個人の中でも溜まっていき、自分自身のケイパビリティになっていきます。

デザイナーのキャリアを考えるとき、多くの人は役割や役職に引っ張られて経験を積もうとします。ただ、求められてる役割に当てにいく思考で動いているうちは、独自のキャリアを形成するのは難しい。みんな、同じところを見ているわけですから。重要なのは実務経験の中で、自分自身が「これは確かなものだ」っていうものを見出せているかどうかです。

これがない状態でキャリアが形成されていくと、基本的には求められているオーダーに対して答えてるだけの状態になってしまう。この時点で新しい領域を開けないですし、「あなたにしかできないことなんですか?」と問われると答えられなくなってしまいます。

その点、rootは「あなたにしかできない」を作りやすい環境だと思います。複数のプロジェクトを経験し、その中で個人としてPDCAを回していく形になるので、自分の強みや得意なことが実感できる状態になりやすいです。

(左から)CEOの西村と古里

古里:プロジェクトの経験もそうですし、他のメンバーの振り返りなど見ながら得られたこと、発見したことを事業を成長させていくという大きな流れの中でどう使えるか。事業の成長を切り口にして、自分が目指すべき次のスキルや目標、あるいは次のプロジェクトの中でトライすべきことに反映できるのは結構大きいなと思いますね。

西村:デザイナーとしてどうありたいか、何を大事にするかという個人のビジョンも重要なんですよ。結局はビジネスをしている以上、事業とビジネスへの接続は必要なんですよね。その重なりをどう作るかは事業やビジネスを知っていないと繋げられない。この接点をどうアレンジするかは個人の強みや特性をどう発揮していくかどうかだと思うんですよね。そこが見えていないと、求められているビジネス上の役割に吸い上げられてしまう。それは自分のやりたいことじゃないみたいな話になってしまうのではないか、と思います。

古里:つまり、デザイナーのスキルをユーザーのためだけでなくチームのためにも発揮するということだと思いますね。そういうふうに受け取ることができると、よりデザイナーのキャリア形成に関する見方も変わってきそうですよね。

西村:個人的にはスタートアップなど、事業やサービスの立ち上げができるデザイナーを増やすことは結構重要なポイントだと思っています。ここについては、次回の記事で深く触れようと思います。古里さん、今日はありがとうございました。

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