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rootらしいクライアントとの共創 Designship2021 OpenSession登壇

2021年9月19日、一般社団法人デザインシップ様が主催する、Designship 2021 Open Sessionにroot 代表取締役の西村が登壇しました。
イベントでは、rootの取り組みやアプローチの全てを語りきれなかったこともあり、改めて本記事でrootが考える伴走型デザイナーに求められる姿勢についてご紹介してみたいと思います。

rootでは、クライアントワークを中心としたUI/UXデザインを行っています。クライアントの事業に中長期的に継続で関わりながら事業成長を支援しており、事業部門内のチームと共創的にプロジェクトを進めていくという特徴があります。これまでrootのメンバーも様々なクライアントとの関係性やコミュニケーション方法など試行錯誤しながら伴走してきました。

不確実な時代だからこそ重要な共創関係

元来クライアントワークでは、決まった成果物を作ることをゴールにしてきました。それゆえ、クライアントから渡された要件をもとに制作物で答えを返すような状況に陥りやすい構造にありました。

しかし、デジタルシフトが起きている業界においては、その前提が機能しなくなってきています。マーケットは非常に変化が激しく、サービスやプロダクトは常に変化を求められます。外部環境の変化もある中で、クライアント側も明確な答えを持っていません。従来のように納品物が定まっている状態でプロジェクトをスタートすることが難しい状況です。

そうした状況では、随所でクライアントの意思決定や実行をサポートしながら不確定の部分を決めていく共創的な進め方が重要になります。一方向的に決まった企画や仕様に合わせた制作を行い答えを提出するような関係性になってしまうと、変化に応じたアイデアや選択肢が出せなくなっていしまいます。1つのチームとして失敗を許容できるフラットな関係性を築くことがプロジェクトを前進させるために重要であると考えています。

フラットな共創関係を構築するために重要な4つのアプローチ

では、クライアントとフラットな共創関係を築くためには、どういったことが必要なのでしょうか、rootで実際に意識している点や具体的なアプローチを紹介していきます。

1. クライアントのモチベーションに向き合う

クライアントワークでは時に、担当者の熱量が低く内部の意思決定やプロセスが円滑に進まないケースに遭遇することもありえます。変化に応える柔軟性を持ったプロジェクト進行を行うためには、クライアント自身の熱量を引き上げることが重要です。

クライアントの熱量を測りかねる場合には、スコープを段階的に区切り、トライアル的に小規模なプロジェクトを実施するようにしています。小さく動くことで互いに担当者の主体性やモチベーションを把握でき、プロジェクトを進行していくにあたりどんな問題が顕在化してくるかを掴みやすくなります。

顕在化した問題に対しては、体制やプロセスを変更したり、担当者の熱量を引き出すための期間も設けたり、受ける側としてもコミットしやすいような関わり方をこちらからご提案しています。

2. 相手の立場に立ち、前提の認識、期待値をすり合わせる

中長期的に伴走を行っている場合でも、要件がまったくないわけではありません。要件定義はもちろん大切です。rootでは要件定義に合わせて、相手から見た時に自分や自社に対してどのような期待を抱いてくれているのか? を把握することも、コミュニケーションや進行プロセスの観点から重視しています。

例えば、クライアントからの要件に「デザイン上これはやらないほうがよい」という要件が入っていた場合、皆さんならどうされるでしょうか?rootでは最初から否定や対案をぶつけるのではなく、相手の要望にまず応えたものを示します。その上で代替案も添えて提示するなど、相手の要望を汲んだ上で、よりよい解決策の提示を行うよう意識しています。

一見、課題がはっきりしているのであれば、ストレートに正解を出すことが正しいように思えます。ですが、チームで問題に取り組んでいくという視点から見ると、お互いに納得感を持って課題解決ができているかも重要です。これはrootのバリューの1つである「信頼し誠実な行動をとる」にも通ずる姿勢です。

3. 戦略の根本を捉え、制作の判断をくだす

事業は刻一刻と変化していくものです。昨日決めたことが今日覆るといった、朝令暮改のような出来事も往々にして起こります。そういった状況下では、一度決めたことを通すアプローチよりも、変化することを前提としたプロセスの設計やデザイン制作の手段を提案することが重要です。

こういった問題を扱う時、デザイナーは制作者であるがゆえ、つくることに盲目的になりがちです。rootでは依頼を受けた場合に、一旦その状況を冷静に判断するため立ち止まり、実行しようとしているイシューがこの表現で解決できるものなのかを見定めるようにしています。時には依頼を鵜呑みにするのではなく、作らない選択を取ることを提案することもあります。

制作は目的ではなく、事業の成果に最大限寄与するためのアプローチの1つです。デザイナーはクライアント以上にその領域の専門家として結果につながるアプローチを提案する必要があります。そうした意識を持つことで戦略と制作を行き来する視点が身につき、クライアントとのフラットな議論が可能になると考えています。

4.プロセスに学習を組み込む

変化の大きな状況では、プロダクトやサービスだけでなく、それらをつくりだすクライアントも学び変化しなければいけない状況にあるといえます。そのため、クライアントを支援するrootも常に新しい変化を取り入れ、そのノウハウも含めてクライアントに提供していくようにしています。

例えば、ある案件ではデイリーでクライアントと共にプロジェクトの振り返りを行っています。プロセスに細かな改善点が見つかりアウトプットの質が高められる効果はもちろん。それだけでなく、その中で関係性が構築されたり、クライアントのデザインやプロセスに対する理解が深まったりという成果もありました。

制作物を納品するというところをゴールに置くのではなく、クライアントの事業やチームがどう成長していくべきかを同じ視点で見つめ、共に学習していくことが重要です。

クライアントと同じ目線で成長へと向かう

以上、rootがクライアントワークの中で共創を行うために実践している4つのポイントをご紹介しました。4つのポイントに共通していることは、クライアントに対して、人と人として関わっていくという点です。私たちは事業成長に向かってデザイン支援を行っていますが、その事業をつくり育んでいるのは他でもなく「人」です。人と向き合い良い関係性を築いていくことが共創に繋がり、より良い事業や体験を生み出し、成長へとつながっていくと考えています。

rootでは一緒にはたらく仲間を募集しています。
rootではクライアントの事業に伴走し、成長へ貢献するため、中長期的な支援を前提としています。今後は創業期からの伴走をますます増やしていき、次の挑戦として 0 → 1 ステージ、事業構想以外に何もないステージから、事業の種を育て、芽を開かせる活動に注力していく予定です。rootという組織を拡大、成長させるフェーズでもありますので、組織づくりにチャレンジしたい方は是非エントリーください。

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