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rootのPSF、PMFに向けた伴走支援のリアル ーBiziblプロジェクトのデザイナーが語った、開発の軌跡ー

こんにちは!root採用広報担当です。

rootは「Design Doing for More〜デザインの実践を個から組織・事業へ〜」をVisionに、事業の成長によりそい、デザインを実践しようとする人々を支え、世界をより良く前進させていくことを目指すデザインファームです。

rootでは、事業の立ち上げからPSF(プロダクト・ソリューション・フィット)、PMF(プロダクト・マーケット・フィット)に向かっていくスタートアップの支援にも力を入れています。
今回は、ウェビナーマーケティングSaaS「Bizibl(ビジブル)」*を展開するBizibl Technologies社の支援を手がけた、デザイナーの辻と緒方に代表の西村がインタビュー。事業の立ち上げに伴走する中で得られる経験、スタートアップのデザイナーとしてはたらくことで得られるメリットなどについて聞きました。

*Bizibl
ウェビナーマーケティングの戦略設計・企画・実施・分析をワンストップで支援するソリューションパッケージ。
マーケティング利用に特化した独自開発の「ウェビナー開催ツール」と、施策の立ち上げ・改善に伴走する「企画・運用コンサルティング」を提供することで、成果にコミットするウェビナーマーケティングの実現を目指している。

ユーザーの声をもとにした「方針転換」がターニングポイントに

西村:まず最初に、お二人がどういう流れでBiziblのプロジェクトを担当することになったのか。簡単に振り返っていただけないでしょうか?

:簡単に自分のキャリアを説明すると、新卒で2016年にレシピサイトを展開するクックパッドに入社し、2021年8月までデザイナーとしてはたらきました。その後、2021年9月にキャリアSNSを展開するYOUTRUSTに転職。2022年11月末まで働いた後、現在はフリーランスのデザイナーとして活動しています。rootに複業でジョインし、Biziblのプロジェクトを担当することになったのは、確か2021年3月ごろだったと思います。そこから2年ほど、Biziblのプロジェクトを担当しています。

緒方:私は2019年に新卒で行政機関に入行し、2年ほど地方創生の仕事に携わっていました。その過程でデザインに興味が湧くようになり、独学でウェブデザインやUIデザインを勉強し、既存のサービスの改修などを担当させてもらったんです。その後、2021年4月にrootに転職し、まずは2〜3つほどのサービスに関わらせてもらい、2022年7月ごろからUIデザインを中心にBiziblのプロジェクトに関わるようになりました。

西村:ありがとうございます。2人ともrootに関わるようになったのは2年前くらいなんですね。そんな共通点があるとは知らなかったです(笑)。早速Biziblのプロジェクトについて聞いていければと思っているのですが、立ち上げからPSFに至るまで、どのようにプロジェクトを進めていったのでしょうか?

:まずはオフラインイベントを「オンライン化」する構想から始まり、最初の段階ではカンファレンス系のイベントとウェビナーを相互に行き来できるような体験設計を時間をかけて開発していました。いろんなものを開発したのですが、実際にユーザーにインタビューをしてみたら、イベントのオンライン化よりもウェビナーの方がニーズが強そうということがわかり、小さく事業をピボットし、現在のウェビナーのサービスを中心に開発、運用してく形になったんです。立ち上げから半年〜1年くらいが経ったタイミングだったと思います。それが大きなターニングポイントになりました。

ピボット前のサービス内容

西村:プロジェクトを進めていく途中で、事業の方針転換があったと思いますが、デザイナーとしてどのように受け止めていたんですか?

:プロダクトに対する最初の印象は、全体の構想が大きく、序盤にしてはやることが膨大だなというものでした。スタートアップでは一般的に、まずはMVP(Minimum Viable Product、最小限の価値を提供するプロダクト)を開発するという考え方をするのですが、そのMVPがすごく大きい。当時はそこが悩ましかった記憶があります。

MVPに必要な要素をすべて満たしていたら、開発に半年〜1年くらいかかってしまう。そういう状態の中、立ち上げから半年くらいが経ったタイミングで、どう要素分解すれば最短でユーザーインタビューまで進められるのかを話し合いました。その後、インタビューやアンケートなどを通して、実際にユーザーの声を聞き始めてからチーム全体のプロダクトに対する解像度が上がっていき、方針もシャープになっていきました。

「解決方法」ではなく「課題」を起点としたプロダクト開発に変化

西村:ユーザーの声を聞くことで、明確なソリューションの形が見えてきて、開発すべき機能なども絞られていった。緒方さんがBiziblのプロジェクトに関わるようになったのは、それよりも少し前ですかね。すでにウェビナーにフォーカスしていましたか?

緒方:関わり始めた直後にプロダクトのロードマップに関する資料を見せてもらった気がします。ウェビナーを開催した後に、そのまま商談につなげるプロセスを取り入れたプロダクトにしよう、というのは決まっていたと思います。

ピボット後、現在のサービスとなったウェビナー開始時のデザインモック

西村:プロジェクトに関わり始めたときの最初の印象はいかがでしたか。

緒方:チームに関する印象は、それぞれのメンバーがとにかくタスクをこなしているな、というイメージでした。一方、プロダクトに関する印象は、実現したいことは分かりやすかったのですが、ユーザー像を把握するのに時間がかかりました。ウェビナーを開催している人たちがどのようなワークフローを踏んでいるのか、また、さまざまな連携ツールをどういう目的で使うのか?といったことが、あまりイメージできなかったんです。

西村:そこに関しては、どのように知識をインプットしていったんですか。

緒方:Bizibl側がカスタマーフィードバックをもらうようになったので、それをもとに「こういう課題がありました」という情報を拾い、解像度を上げていきました。また実際にウェビナーをやっている人の話を聞き、当事者のニーズなどもキャッチアップしました。

西村:プロダクト開発の面において、緒方さんがプロジェクトにジョインしてから何か変化はありましたか?

:一番大きな変化としては、開発を進めていく上での情報の精度がシャープになったことですね。今は「これを改善したい」という課題をNotionに書いてもらっているのですが、今までは「こう解決したい」という解決方法ありきの提案が主でした。解決方法から始めてしまうと、その解決方法を具現化するだけで、それが正解なのかまで考えられないんです。
それが今は「こういう課題があって困っているのですが、どうしましょう?」というところから会話ができるので、何が正解なのかを考える余地が増えました。

カオスな状況の中に楽しみを見出し、前に進んでいる実感を持つ

(左から)デザイナーの辻朝也、緒方万莉、代表取締役の西村和則

西村:スタートアップの中でデザイナーとしてはたらいてみると、いろんな大変なこともあると思います。実際にはたらいてみて、いかがですか。

:やっぱりサービスの立ち上げ期はカオスな状況になります。そのカオスをどう楽しむか、カオスの中にどう楽しみを見出すのかが求められると思います。スタートアップは当初言っていたことや方針が変わるのは日常茶飯事で、今まで積み上げてきたものがなくなることも全然あり得ます。その出来事だけを見ると、今までやってきたことが無駄になってしまったと思うかもしれませんが、会社や事業の視点に立つと前に進んでいる。俯瞰してポジティブな考えを持つと言いますか、会社が前に進んでいる実感を持つと良いと思います。

緒方:私はスタートアップではたらいてみて、スピード感を意識してアウトプットを出すことが求められている環境だなと感じました。私がプロジェクトに関わり始めて、2〜3カ月が経ったときにPMF(プロダクト・マーケット・フィット)に向けた目標やロードマップが策定されたのですが、そこに至るまでは事業の方針がコンスタントに変わってたんです。日々の情報をキャッチアップしながら、いかに早くアウトプットを出すのかで当時は四苦八苦していました。

UIデザインに関してもあまり考え込まず、手書きでもいいのでなるべく早く考えていることを共有したり、デザイン定例だけでなくプロダクト定例に入らせてもらって同期型のコミュニケーション機会を増やし、先方の考えなどをインストールしたりしていました。

また、辻さんが一緒に走ってくれたのはとても心強かったです。自分一人で手探りで進めていくこともできたと思いますが、それではクライアントが求める期待値に達成できなかったと思います。辻さんの存在は私にとってすごく大きかったですね。

西村:スタートアップのデザイナーとして、2人ではたらくことのメリットはどこにあると感じますか?

:シンプルに手を動かす人、考える人の数が倍になるので、パフォーマンス量が違いますね。スピード感に関しては慣れてくると、そこまで差はないと思いますが、思考に関しては2人で会話をしていると1人で考えている以上のことが出てくる。もちろん、1人で考え込むことも大事ですが、会話の中から別の視点を見出せるのは2人ならではだと思います。

緒方:私はデザインなどで悩んだときに相談してもらう形で、辻さんに併走してもらっているのですが、デザインの方針を考えるときに自分が見ている視点と辻さんが見ている視点の違いが明確に分かります。2人でやるメリットはそこにあると思います。思考の違いが分かり、自分の考えを客観的に見れるのはすごくありがたいです。

西村:プロジェクトを進めていくにあたって、役割分担はどうしていますか?

:自分が開発側の知識も持っているので、UIデザインの設計部分は緒方さん、フロントエンドの開発部分を自分がコミュニケーションをとる形で役割分担していたことがありました。デザイナー視点で緒方さんがどんどん提案し、フロント側で自分はサポートするといった感じです。デザインに閉じないことは意識しており、デザイン側でコミュニケーションができないのであれば、会話するレイヤーを逐一切り替えるようにしています。

緒方:ひとつの議論の中でもミクロなUIの話になったと思ったら、抽象的な事業戦略の話になったりする。そこの行き来が激しいのはスタートアップの特徴なのかなと思います。そこの役割について辻さんとの1on1でコミュニケーションをとっていたことで、戦略の部分は辻さんが話をし、UIの部分は私が話す役割分担ができていたかなと思います。

デザイナーがスタートアップにチャレンジするのはアリか、ナシか

緒方:未経験でいきなりスタートアップにチャレンジするのは、難しい部分もあるかなと思います。1〜2年ほどデザインを経験した後に、スタートアップでデザイナーのキャリアを積むのがオススメかと思います。デザインだけに閉じず、いろんな視点で物事を考えないといけないですし、いろんな視点でデザインをとらえないといけない。具体と抽象の行き来をひとつの事業の中で訓練できるのが良いところです。また経営陣との距離も近く、事業戦略とデザインの繋がりを理解しながら進めるのに最適な環境だなと思います。

:メリットは広範囲にわたってサービス開発を経験できる点です。大きい会社の場合は役割が分担されているので、いろんな役割を経験できるのはスタートアップならではです。

その一方で、昨今のスタートアップの“1人目デザイナー”に求められる仕事内容が重すぎる気もしています。そのハードルを超えられる気持ちを持った人でなければ、スタートアップはカオスな時期が多いので、自分のやっていることに自信が持てなくなったり、悩んだりする時間が増えてしまいます。

もしジュニアのデザイナーやスタートアップ未経験だけどやってみたいというデザイナーは、できるだけ経験者のデザイナーが近くにいる環境、もしくはPMやエンジニア側にデザイナーとはたらいた経験があり、分業が分かっている人のチームに入ることをオススメします。

西村:なるほどー。自分も過去にスタートアップで“一人目デザイナー”を経験したこともあるのですが、なかなか大変なことが多かったです。ただ今回のBiziblのプロジェクトのように、rootであれば“一人”ではなく“チーム”を組んでスタートアップフェーズのプロダクトデザインに関わることもできます。
スタートアップフェーズからデザイナーとしてプロダクトづくりに関わりたいと考えている人も多くいると思いますが、その一方でさまざまなリスクもあります。そういったリスクを少なくし、チームを組んでスタートアップのプロダクトづくりに関わることができる。そういったモデルケースをどんどんrootから生み出していきたいですし、それによってスタートアップのプロダクトづくりにチャレンジしていくデザイナーを一人でも多く増やしていけたらと思っています。

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