世の中にまだない体験をデザインし、事業立ち上げからデザインチーム組成を支援
2024年2月にStarley株式会社からリリースされた、音声会話型おしゃべりAIアプリ「Cotomo (コトモ)」。
「話したいことも、話せないことも。」をコンセプトに、ゆるい雑談から悩み相談まで、身近な話し相手になってくれるAIアプリとして目的なく会話をし続けられるのが特徴です。
Starley社で独自に開発しているAIを採用しており、会話を続けることでユーザー情報を学習し、パーソナライズされた会話内容へと成長していきます。
事業コンセプトの検証から、デザインチーム組成まで。おしゃべりAIアプリ「Cotomo」の立ち上げ支援について
支援プロセスの詳細はこちらのCocodaの記事をご覧ください
ご相談いただいた時の状況
Starleyの創業者2名(エンジニア)として、toC向けに対話型AIのプロダクトを立ち上げるということは決まっていたものの、まだ今のように音声型のアプリにするかどうかは決まっていない状態でした。
そこでrootでは、事業立ち上げに関わる事業コンセプトの設計・初期プロダクトの設計・デザインチーム立ち上げを共に行ってきました。
解決のアプローチ
世の中にない体験は、SFから持ってくる
toC向けアプリにおいて、短期的なマネタイズから考え始めると注力がわかりづらくなるため、長期的にコミュニケーションアプリとしてありたい状態を考える必要があります。一般的なサービスとは異なり、音声会話型AIアプリは、現実にはまだそこまで参考になる類似サービスや代替行動のようなものが存在していません。そこで、具体化手法として「SFから現実に落とす」、つまり映画のカットからAIの活用シーンを引用し、そこから議論を通して理想像を固めていきました。
大きな分岐点を示し、判断を促す
PMFもしていないプロダクト立ち上げ期において、複数の体験を追いかけることはコアな価値の定義にとってノイズとなります。そのため、注力する体験が「視覚的な表現」なのか「音声表現」なのか、という分岐を示し、プロダクト開発前から方向を絞りにいきました。最終的には、リアルな人と話す映像表現にこだわっても、技術的な難易度が高い上に、ユーザーが受け入れる心理的ハードルが高いと思い、音声表現に特化していくよう判断しました。
会話の継続を生むインターフェース
インターフェースの開発と並行で行っている音声対話エンジンの開発は、その技術の精度がどのくらい高まるのか読みづらい状態にあります。そのため、技術の精度に依存しすぎない最適なUIを検証していきます。また、Cotomoはジャンルを絞らないtoC向けのコミュニケーションアプリなので、意図的に幅広い利用目的のユーザーにテストしました。
地道な検証を通して、早い段階でオンボーディングの突破率は9割を超え、音声でセットアップする体験は間違いなさそうなことがわかる状態に。また、会話を続けるためには話題を切り替えることが大切であることが分かったものの、AI側から自然に話題の展開を行うのは難しかったので、次に話すテーマをUIでレコメンドするよう設計。他にも、自分好みのアイコンを入れているユーザーとそうでないユーザーでは定着率が変わることも分かってきたため、アイコンは最初に自由に設定でき、かつ3日後に変更できなくなるように改善しています。
注力する体験に合わせて、パートナー人員を増加
サービスのモデルができてきて、認知が高まるにつれてユーザーも増え、開発したい機能も日々増えていくタイミングで、プロダクトとしての成長スピードをあげるため、早期にデザインチームの構築にも着手しました。
立ち上げ段階では1人のデザイナーがフルコミットしてあえて属人化させる方が良いこともあります。しかし、方向性が最低限固まったらプロダクトのPDCAを高速に回すため、その機能を代替するチームが必要になります。そこで、まずはrootからパートナーとして関わる人員を増加、これにより、次に入ってきた人のスキルセットに合わせて柔軟に体制を変えることも可能になりました。
採用へのコミットを高める
新たに加わったrootのメンバーに開発タスクを担ってもらいつつ、Starleyの1人目の正社員の採用にコミット。求人内容もレビューしながら公開までサポートしたり、イベント登壇や初回面接も担当していました。最終的に1人目の正社員デザイナーの方に入社いただけることになり、リードデザイナーを移譲しています。
プロジェクトメンバーとクライアントからのコメント
rootでは、今回のように、プロダクト立ち上げ前段階から共創し支援することも多くあります。このようなプロジェクトにおいて、rootとして意識しているのは「立ち上げは体系化や型にはせずあえて属人的にやる」ということです。rootでは自社にデザイナーを抱えているので、立ち上げ段階においては1名で支援、以降は2〜3名と人数を増やしていきつつデザインチーム組成まで支援する、など事業フェーズに合わせて柔軟に支援をしています。今後もプロダクト立ち上げにおける事例も公開していくので、ぜひ活用していただければと思います。
rootCEO 西村 和則
(Cocoda掲載文より一部抜粋)
とても挑戦的なプロジェクトで、多様な視点を取り入れることが不可欠でしたが、単にそれだけでなく、西村さんはご自身でも未知のプロダクトを作ることに喜びを感じながら同時に我々の思考を明確にする数多くの示唆を与えてくださいました。今後、この会社で同様の挑戦をする機会があれば、ぜひとも再び西村さんのお力をお借りしたいと考えています。
Starley共同創業者/取締役 内波 生一さん
(Cocoda掲載文より一部抜粋)
事業コンセプトの検証から、デザインチーム組成まで。おしゃべりAIアプリ「Cotomo」の立ち上げ支援について
支援プロセスの詳細はこちらのCocodaの記事をご覧ください