SHIKIN+ [資金プラス]

作ることから始まった新規事業をプロダクトビジョン策定を通して再定義

〜プロダクト開発に伴走して見えた足場固めの重要性。事業・プロダクト開発の要所を押さえつつ、組織文化を見据えた支援〜

SHIKIN+(資金プラス)」は、マネーフォワードと三菱UFJ銀行の合弁会社・株式会社Biz Forward(以下、Biz Forward)の中小企業向けオンライン型ファクタリングサービスです。本サービスは、資金が足りないために事業の存続や挑戦を諦めてしまう中小企業をなくすため、迅速な資金調達の実現を目指しています。

rootはサービスの新規立ち上げを支援。プロダクトビジョンの策定、プロダクト開発、チームビルディングなどに取り組みました。

作ることが目的になっていたチームに、ビジョン策定を通してプロダクトの方向性を示す。「SHIKIN+」新規事業の立ち上げを支援

クライアントとの対談インタビュー記事はこちら

ご相談いただいた時の状況

今回の「SHIKIN+」は、グループ会社のマネーフォワードケッサイが手掛けていた「マネーフォワード アーリーペイメント」から派生した新規事業です。相談いただいた当時は、プロダクトの開発に向けたチームを組成しようとしていたタイミング。rootはプロダクトをいち早く形にして、サービスをリリースさせるところから伴走をはじめました。

課題に取り組んだプロセス

プロダクトの開発に注力した初期

「マネーフォワード アーリーペイメント」の仕組みを踏襲し、まずサービスとして「SHIKIN+」をローンチ。後追いでサービス運営の裏側を担うプロダクトを開発していきました。

ローンチ当初、サービス運営はほぼ人力で行われていました。これを効率化・円滑にすべく、初期の半年間は社内用のオペレーションプロダクトのプロダクトデザイン、プロトタイプ制作をサポートしていきました。

何を作るべきかを見直したプロダクトビジョン策定

今回組成されたチームは、マネーフォワードケッサイから転籍してきた前提知識がある方と、別組織から新規で参画した方がおり、メンバー間で認識や前提理解にバラつきがありました。しかし、社内では「リリースすること」に意識が向けられており、そのバラつきが埋まらないまま業務が進んでいました。

そこで、事業・プロダクト開発における土台を整えるべく、rootはプロダクトビジョンの策定を提案。プロダクトマネージャーとの1on1、メンバーへのヒアリング、ワークショップの実施などを通して、「SHIKIN+」がどのような人に価値を届け、どのような世界観を目指してサービスを展開していくのかなどを言語化していきました。

チーム間で共通認識を持ち「SHIKIN+」 を再構築

ビジョンを定め認識を揃えた後は、サービスのブラッシュアップに取り組みました。「SHIKIN+」は、2021年末から事前受付をはじめており、徐々にデータが蓄積され、申込まで至った人/至らなかった人含めたユーザーの行動が明らかになってきていました。rootは離脱ポイントを中心にリサーチを実施。ユーザーの行動を多面的に分析し、課題点を細かく洗い出していきました。

その結果は、審査申込画面のUX改善や審査書類フォームのリニューアル、データ連係といったプロダクトの改善、再構築に活かされているだけでなく、事業戦略やロードマップの策定にも活用されていきました。

解決のアプローチ

プロダクトビジョンの策定

プロダクトビジョンとは、「なぜそのプロダクトを自分たちが作るのか」「なぜそのプロダクトがユーザーに必要なのか」「そのプロダクトがあるのとないのとでは世界がどう変わるのか」を明示したもの。プロダクトの存在意義やメンバー間の共通認識、意思決定の軸を形成することにつながります。

プロダクトビジョンを策定するにあたり、まずビズフォワードのプロダクトマネージャーの方と1on1を実施。ヒアリングを通し、実現したい将来の状態や自分たちのモチベーションに寄与するものについて言語化していきました。その内容をまとめ、今度はメンバーに展開。いくつかのグループに分けてワークショップを実施し、言語化を重ねながらさらに個々の言葉や考えを踏まえ、内容をブラッシュアップ。

最終的には単語一つに至るまで厳選していきました。こうして策定したプロダクトビジョンは、ステークホルダーや新メンバーなどプロジェクトに関わるすべての人の理解を促す役割を担っています。

策定したプロダクトビジョン

Product Requirement Document(PRD)等のドキュメンテーション導入

情報共有や前提知識の平準化のために、プロダクトビジョンに加えSlackやスプレッドシート等に散在していた様々な情報をドキュメント化し一箇所に集約。同時に、PRD(注:プロダクト要求仕様書)をはじめとするドキュメントテンプレートも導入。ドキュメントでのコミュニケーションを重視する文化が生まれるよう支援しました。

情報を集約・明文化することは、事業・組織の属人性を下げパフォーマンス向上を図るとともに、メンバーの増員や過去情報を参照する際の情報共有コストの低下にもつながります。

UI/UXデザインの改善

プロダクトビジョン策定後には、Biz Forwardのインハウスデザイナーの方とともに改善フェーズのUI/UXデザイン業務に取り組みました。まずは審査申込画面のUX改善、次に外部サービスで代用していた審査書類のフォームリニューアルを実施。口座のデータ連携ができる機能の実装も行いました。

改善にあたっては、借りる側(企業)と貸す側(金融機関)、双方のユーザーの声と向き合いながらデザインに取り組みました。

クレジット

期間
2021年8月〜2022年8月
クライアント
株式会社Biz Forward
DPM / リードデザイナー
山野 良介
UIデザイナー
棚橋 七海

問い合わせ

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