Bizibl

MVPの要件が大きい状態から、ヒアリングを通じて価値を検証、PMFに向けた立ち上げ時の開発・検証、マイナーピボットまでを伴走支援

ウェビナーマーケティングツール「Bizibl(ビジブル)」を提供する株式会社Bizibl Technologies。BiziblはIT企業やコンサルティング企業を中心に、リード顧客の獲得・育成を目的としたウェビナーマーケティングを開催するためのプラットフォームです。

rootはPMF(プロダクトマーケットフィット)に向けたプロダクト開発を支援。ユーザーヒアリングを通じたプロダクト価値の検証、ユーザー課題を起点にした開発プロセスの改善といった伴走支援を通じて、プロダクト開発を推進しています。

PMFに向け、密なコミュニケーションで課題を共有。「Bizibl」のプロダクト開発を伴走支援

クライアントとの対談インタビュー記事はこちら

ご相談いただいた時の状況

今回の「Bizibl」は当初、大規模な採用イベントの“オンライン化”を目的に、プロダクトが立ち上がったばかりのフェーズでした。大規模イベントでの利用を想定していることから、MVP(必要最小限の機能を持ったプロダクト)の構想が大きく、必要な機能の検証に時間がかかってました。複数のユーザーセグメントから課金が発生しておりフォーカスすべきターゲットが絞り切れておらず、プロダクト開発チームも組成段階にある状況でした。

課題に取り組んだプロセス

ユーザーヒアリングを通じてプロダクト価値を検証

構想している事業仮説が荒く、MVPの要件が大きくなっており、開発・検証のスピードが長くなっていたので、まずはユーザーヒアリングを通じてプロダクト価値の検証を進めていきました。具体的には、ユーザーヒアリングを通じて得られた声をもとに、「作って壊す」というプロセスを踏むことに。そうすることで、「Bizibl」というプロダクトが持つ本質的な価値は何かを見極めていくことにしました。

フォーカスすべきユースケースやユーザー像を明らかに

また、支援当初の「Bizibl」は複数のユーザーセグメントから課金が発生しており、フォーカスすべきターゲットが絞り切れていない状態にありました。そこで、ユーザーヒアリングなどを通じて、フォーカスすべきユースケースやユーザー像を明らかにしていきました。実際にヒアリングを通じて、大規模な採用イベントのオンライン化のニーズはなさそうであることが分かり、現在のウェビナーマーケティングをメインユースケースに設定したのです。

フォーカスすべきユースケースやユーザー像が明らかになったことで、プロダクトをマイナーピボットしていき、PMFを目指していくことになりました。

ユーザー課題を起点にした開発プロセスの改善

フォーカスすべきユースケースやユーザー像が明らかになり、解決すべき課題が明確になりました。その課題を起点に、開発プロセスも改善。具体的には、デザインのメインラインとサブライン、運用改善を目的としたサブプロセスという3つのラインを立ち上げ、それを同時に回していくプロセスを取り入れました。早く、安定して高品質のプロダクトが開発できる体制を整えたのです。

プロジェクトの成果

機能軸ではなく顧客の「課題軸」でプロダクト開発を推進

ユーザーヒアリングを通じて、ユーザーニーズを明らかにしたことで“誰の声に応えるべきか”が明確になり、それが結果的に顧客獲得につながりました。

rootにとってもユーザーの解像度を高めるのはもちろん重要でしたが、そこに注力しすぎてもスピードが鈍化するだけだと判断し、顧客や事業理解はファウンダーへの質疑やインプット、他会議のサマリの確認などを通して把握しつつ、デザインチームはアウトプットと環境整理に注力する、という方針を取っていました。

活動の中で、機能が複雑さを帯びてきたタイミングで、プロセスやコミュニケーションを断続的に見直し、その積み重ねで結果的に顧客の課題軸で話す形に整ってきました。

また、解決すべきユーザーの課題が把握できるようになったため、その課題をプロダクトチームの開発基準に取り入れることで「機能軸」ではなくユーザーの「課題軸」でプロダクト開発を推進できるようになりました。当初は「機能軸」を起点にプロダクト開発チームのメンバーはコミュニケーションをとっていましたが、今では「ユーザーがこういう課題を抱えているんですが、どうすればいいですか?」といった課題軸をもとにチーム間でコミュニケーションをとり、解決に向けて動くことができるようになっています。

デザイン体制も柔軟化し軌道修正を行いやすく

ユーザー課題を起点に、開発プロセスを改善することでデザイン体制も柔軟化。開発における軌道修正も行いやすくなりました。スタートアップは目まぐるしいスピードで変化していくため、事業方針が変わるといったことも日常茶飯事です。rootでは 事業方針の変動に耐えられるようデザイン体制も柔軟化し、軌道修正を行いやすくしました。

顧客解像度が上がったことによりマイナーピボットを通じてPMFへ

事業の立ち上がりの不確実性が高く難易度の高いフェーズに対して、ユーザーニーズを中心とした課題軸でプロダクト改善を図り、顧客となるべきユーザー像の特定とそれに応じたプロダクト像の具体化を取り組んできた。その結果、ビジネス上抑えるべきプロダクト要件を具体化できPSF(プロダクトソリューションフィット) → PMF(プロダクトマーケットフィット)へ事業が確実に推移。

プロジェクトメンバーとクライアントからのコメント

不確実な状況においては、最初の答えの正しさよりも、学びを積み重ねられているかどうかが重要とよく言われます。Biziblでは普段の会議の中でも事業コンセプトや事業状況、ユーザー、課題、仮説、使われ方まで、サービスの様々な側面について話し合う機会をいただけており、スピード感を持ってチームで学びを積み重ねられている実感があります。今後もこのスピード感を維持しつつ、PMFに向けた品質向上や、その先に控える拡大期に向けて準備を進めていきます。

DPM 岸 良平

弊社のようなSaaS(Software as a Service)提供を生業とする会社の場合、デザインやコーディングによって生み出されるプロダクトは、付加価値を生み出す源泉であり、事業の根幹となります。しかしながら、スタートアップが取り組む事業開発では、その過程で、事業ドメインやビジネスモデルまでもが変わり得る不確実性を持っています。そういった不確実性に晒され、プロダクトが目指すべき姿が見えきっていない中で、同じ目線・解像度でプロダクトデザインに取り組んで下さったのがrootさんです。仕様書に沿って「モックを作成する」のではなく、プロダクトを提供する先にいるお客様の行動や頭の中を協議しながら「一緒にプロダクトを作る」のがrootさんの最大の特徴かと感じております。

Bizibl Technologies代表取締役CEO 花谷 燿平さん

クレジット

期間
2021年3月〜現在
クライアント
株式会社Bizibl Technologies
DPM
岸良平
デザイナー
緒方万莉、辻 朝也

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