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経営とデザインをつなぐ共通言語のつくり方〜D4V主催第9回 First Designers Program登壇レポート〜

こんにちは!root採用広報担当です。

私たちは「Design Doing for More〜デザインの実践を個から組織・事業へ〜」をビジョンに、組織の右腕として、共に事業価値を創り、育むデザインパートナーです。

rootは、デジタルプロダクト・ブランドマーケティング領域にて、クライアントの組織・事業に対して、継続的にデザイン支援をし、共に事業価値を創り、育む支援体系を構築しています。

私たちは、クライアント組織内のデザインチームや新規事業チームと共創し、組織に対して、事業立ち上げ〜成長フェーズにおける事業成長とデザイン体制構築に関するノウハウ支援 ・デザイン実行の支援をしたり、事業成長に応じた体制構築で、再現性のある新規事業チームの組成から持続的な組織づくりを支援しています。

また、創業前の構想段階から、立ち上げ・グロース・組織化と、幅広い事業ステージに応じたデザイン支援を行っており、スタートアップの創業からグロースまでの多様な知見を活かした、新規事業の成功確率の最大化や、持続的に事業を育てるために必要なプロセス、デザイン組織体制の立ち上げ、発展支援をしております。

今回は、D4V※主催「第9回 First Designers Program」にて、CEO西村が登壇し、実施したワークショップ「経営の中のデザイン」の模様をレポートします。

※D4V(Design for Ventures)について
D4V(Design for Ventures)は世界的なデザインファームのIDEOとパートナーシップを結び、シード・アーリーステージのスタートアップへの投資を中心に行う独立系べンチャーキャピタルです。業種・業界を問わず社会にインパクトをもたらすスタートアップに投資し、投資先企業には経営とデザインの知見を生かしたハンズオン支援を提供しています。2021年より、スタートアップでの活躍を目指すデザイナー向けコミュニティ「Startup First Designer Program」を運営。

ウェブサイト:https://d4v.com/jp

今回のワークショップでは、「経営の中のデザイン」をテーマに、スタートアップに関わるデザイナーが経営者と共通言語でコミュニケーションを取るためのフレームワークを体験していただきました。
当日はCEO西村とMGR佐藤が登壇し、セッションとワークショップを通じて、デザイナーがビジネス指標にどうアプローチできるかを実践的にお伝えしてきました。
「アウトプット以上の事業貢献をしたい」「経営者との接続に悩んでいる」という方は、ぜひ参考にしてみてください!

登壇者紹介・rootについて

(左:MGR 佐藤、右:CEO 西村)

西村:
rootというデザイン会社を経営している西村と申します。今ちょうど14期目に入ったところです。元々僕はデザイナーで、制作会社出身でデザイナーを経験し、そこから独立して今rootという会社を14年経営しています。

最初の創業期はスタートアップを自分で立ち上げて起業したので、デザイン会社を起業したというよりは、スタートアップを自分でやっていたというところがバックグラウンドです。
事業自体はスケールすることができず、ピボットする形になったんですが、そこでデザイン会社に転換をするという経験をしています。

そこからも今回のテーマと同じ創業期の1人目デザイナーとしての役割を各社で担い、色々な事業を立ち上げていく支援をしてきました。本日はよろしくお願いします!

佐藤:
rootの佐藤と申します。rootではMGRという役割をしています。支援しているクライアントは、スタートアップではないんですが、メガベンチャーだったりエンタープライズ企業の新規事業の支援をしていまして、そういった意味では、皆さんとやっているお仕事に重なりがあるかと思っています。よろしくお願いします。

西村:
rootについて簡単にお話しすると、主にいわゆるデジタルプロダクト、サービスを立ち上げていくようなスタートアップにおいて、事業の立ち上げとグロースの支援をしています。
そこに付帯する形でサービスとかアプリケーションを設計するだけじゃなくて、僕らも組織を一緒につくるというアプローチを取っている点がrootの特徴です。

そのため、1つのアプリを単にリニューアルするみたいな形の関わり方じゃなくて、中長期一緒に走っていく考え方でして、平均で1社3年ぐらいお付き合いしているというところが特徴になります。半分、その組織のいわばインハウスの人のような介在をしているデザイン会社であると理解していただければと思います。

スタートアップデザイナーのよくあるお悩み

Q1. もっと事業成長に貢献したいのに、アウトプットだけを求められるのはなぜ?

佐藤:

ワークショップに入る前に、スタートアップに関わるデザイナーのよくあるお悩みとして、こんなものがあるのではないかなというところを挙げてみました。

まず1つ目は、アウトプットを素早く形にすることが価値提供の主体になっていて、それ以上どういった価値提供、貢献をしていけばいいかが、なかなか見つからない
もう1つは、経営指標と日々の活動が繋がらないというところかなと考えました。西村さんはこの現象をどのように風に捉えていらっしゃいますか?

西村:
とてもよくある話ですね(笑)
デザイナーは見えるものを作る仕事なので、そこを評価されたり期待されることが非常に多い。
まず前提として、その入り口になることが多いのが傾向ですよね。
ただ、アウトプットするだけにとどまらないために大事なのは、その奥側にある、「なぜそれを依頼してきているか」を考えること。この「Why」を深めていくことがすごく大事なのかなと思っています。

佐藤:
そうですね。そのロジックがどう通っているかをデザイナー側からも考えられるようになったり、提案できるようになっていくと、アウトプットだけを依頼されるということがだんだんなくなってくる構造なのかなと思っていて、ここをどう取り組んでいくかが、これからのデザイナーのテーマの1つなんじゃないかなと考えています。

Q2. デザイナーだからこそできる定量指標へのアプローチ

佐藤:
デザイナーだからこそできる定量指標へのアプローチには何があるのかというところを紐解いていければと思います。西村さんはどのように考えていますか?

西村:
まず、デザインという役割やテリトリーに縛られないことがすごく大事だなと思っています。
自分が経営や事業を動かすという立場で物事を見たり考えたりすることを、一度でも経験したことがあるかってすごく大事だなと思うんですよ。

デザイナーの立場からしたら、担保しなきゃいけない責任の範囲って、基本的には顧客の体験だったりブランドのエクスペリエンスだったりするわけですけど、経営者の立場って全部を見なきゃいけない。その上でデザイナーに任せる範囲ってその一部なわけですよね。
ここをしっかりと捉えていくことができないと、デザイナー側から見たらプライオリティが高くても、経営から見た時にはそうじゃないという状況が起こる。このコンフリクトをどう解消していくかが大事です。

もう1つ、皆さん数字・指標をどうにかしようと考えがちですよね。でも直接的にデザインで数字を動かすのは難しい。
結局その数字を動かしているのは、サービスを利用しているユーザーなんですよね。
ユーザーの行動を動かすことはデザイナーにできる。このユーザーの行動をベースに、どういう成果に繋いでいくかという変換ができるようになると、KPI(ひいては指標)に接続するポイントが見えてきます

佐藤:
例えばリテンションが落ちている時に、「なぜユーザーが離脱しているのか」「どの行動でつまずいているのか」を考えるのは、デザイナーが得意とする領域ですし、責任として与えられている領域だと思います。なので、数字の変化をユーザー行動に翻訳できるようになると経営との会話がしやすくなりますね。

ワークショップ:アクションからビジネスを読み解き、共通言語をつくる

佐藤:
では、その指標であるKPIから考えるとはどういうことか、またKPIからユーザーの課題に変換するにはどうすればいいか、という点がポイントになります。

今日は、この図(下図参照)を使って、「経営とデザインをつなぐ共通言語のつくり方」を、みなさんの業務をもとに作成していきたいと思います。

まずは、この図(下図参照)の左側の三角形を、皆さんのプロダクトだったり事業でどうなっているのかということを可視化します。そこから、ユーザー視点で見た時に、どんな課題があるのか、あるべき状態である理想と現状から考えていく。
このワークショップをやっていきたいと思います。


このフレームについて

西村:ワークを始める前に、このフレームについて説明します。まずは、目標というものの補足をさせて下さい。結構混同されやすいんですけど、目標を「ユーザー数いくらです」という扱い方をしている会社って多いんですよね。でも、本来は、目標と指標って厳密には別のものと考えることが大切なんです。ここがデザイナーにとってすごく重要なポイントだなって僕は思っています。
目標って定性的な状態なんですよ。指標となる数字を結果的に達成した時に、どういう状態に事業やサービスをしていきたいのか?これが目標なんです。

それと指標となるKPIを混同するので、数字を達成することが目標みたいに見えちゃっているんですけど、実は違うんです。
あくまでも指標=数字というのは、この目標状態を達成した時の1つの基準になる定量的な評価点になります

次に図の右側は、左側の三角形を、ユーザー主語で変換をするという、デザイナーのテリトリーにあたるものです。
普段皆さんがお仕事する中でも、ユーザーのことを考えてアウトプットしたり設計したりされると思います。主語をユーザーに転換するということが1つの翻訳の仕方であって、共通言語になり得るものだと考えてください。

わかりやすい例だと、依頼側からはユーザーが主語の話をしてこない事が起こるかと思います。「これを作ってくれ」とか「この画面のこれを変えてくれ」とか、ですね。こういう依頼が来るケースって結構あると思うんです。

なので、まずは、依頼の背景にある指標や施策の狙いみたいなところを読み解いた上で、「その指標を達成した時、ユーザーはどういう状態になっているのか?」ということを定義していくことが必要だと思います。
これができてはじめて、設定されているユーザーの状態や行動がどのようになっていくのかを、経営陣と共通言語で話せる材料になってきます。

最後は、4と5の現状と理想についてです。
ユーザーの現状というのは、問題を解決する前のユーザーの行動です。
例えば「画面遷移のステップを減らしたい」という施策があった場合、現状は「入力の手間がかかって途中で離脱している」というユーザー行動があるはずです。
その場合、理想はどうかをユーザー視点で考えると「会員登録をスムーズに完了して、すぐにサービスを使い始められる」ことが本当の価値ですよね。
このように、施策をユーザー行動に置き換えて考えることで、現状と理想が明確になります。

そして、この理想と現状の間にあるギャップこそが6の「課題」になっていないといけない。これが本来あるべき課題、本質的な課題なんですね。

佐藤:
ポイントは、ユーザーがちゃんと主語になっているかということを結構精密にチェックするのが大事です。
よくあるのが、「システムが〇〇を提供する」「サービスが〇〇を実現する」のように、サービス提供側を主語にして書いてしまうケースです。そうするとユーザー視点からズレてしまい、ユーザー価値として表現できなくなります。
ワークシートでは、文節や句読点の後が、全部「ユーザーが〇〇する」という形になっているかをチェックしてみてもらうと、精度が一気に上がると思います。

では、みなさんワークに取り組んでください!

ワークショップの講評

こうして、実際に作成したものを一部の参加者に発表いただき、それについて西村より講評を行いました。

西村:
みなさん、具体的に書いていただきました。ありがとうございました。図の左側にある指標や施策の狙い、アクションの関係性については、概ね構造を捉えて記入できていたのではないかなと思います。
一方で、右側のユーザー主語への変換や、現状と理想のギャップから課題を特定するところは、慣れていないと難しい部分です。ここは一度で完璧にできるものではないので、実務の中で繰り返しトライしていただければと思います。

ここからが実務で活かすポイントになりますが、課題を特定したら、次に必要なのは経営側とのすり合わせです。
自分が設定した課題が、経営側が考えている施策の狙いとどこで重なっているのか。ここのコンセンサスを取りに行くコミュニケーションが重要になります。

その際、設定した課題を、ユーザーフローなどと合わせて説明することで、「このユーザー課題に対して何をするべきか」「何を解決するべきか」という会話がしやすくなります。ユーザーを主語にした課題設定があるだけで、経営とのコミュニケーションのラリーが格段に取りやすくなると思います。

ぜひ、みなさん、今日の内容をもとに、実務でも試してみてください!

まとめ

今回のワークショップでは、「経営の中のデザイン」をテーマに、スタートアップに関わるデザイナーが経営者と共通言語でコミュニケーションを取るためのフレームワークを体験していただきました。

西村からは、
デザイナーがビジネス指標にアプローチするためには、まず経営者の視点を理解することが大切であり、指標・数字を直接動かそうとするのではなく、ユーザーの行動を起点に考えることで、指標となるKPIに接続するポイントが見えてくるということ。
・目標と指標の違いを理解すること、目標とは「達成したい定性的な状態」であり、指標とはその状態を定量的に評価するためのものであるということ。そして、ユーザーを主語にした課題設定ができるようになることで、経営との共通言語が生まれるということ。

これらをお伝えさせていただきました。


西村:今日のワークで、シートが埋まらなかった部分は、今後チーム内でコミュニケーションを取って情報を集めていくきっかけにしていただければと思います。

スタートアップは比較的、経営の全体感が見えやすい環境です。CEOとコミュニケーションを取ったり仕事をするだけで、事業全体の構造を掴むことができます。
今日の内容から1つでもアクションを取っていただき、デザイナーとして事業にインパクトを与えられる一歩を踏み出していただければ幸いです。


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