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リアルとオンラインを融合し、「HiO ICE CREAM」の”美味しい”を伝えるECサイトをデザインする

rootは、クラフトアイスクリーム ®「HiO ICE CREAM」やクラフトバタースイーツ「Butters」を提供する株式会社HiOLIのデザインパートナーとして伴走しています。

「HiO ICE CREAM」の立ち上げから、1年半以上に渡って伴走するなかで、どのようにフェーズの変化に応じて関わり方を変えてコミットしてきたのか。チームとしてともに活動したメンバーのインタビューをお届けします。

ブランドの立ち上げから伴走し、オンラインとリアルを融合したユーザーの購買体験を実現

リアルとオンラインを融合させるサービスをつくるパートナーを探していた

玉井 賀子さん(以下、玉井さん):2018年8月に会社を立ち上げ、店舗とECサイトと両方でアイスを売っていこうと考えていました。そのため、単なるECサイトやブランドサイトをつくりたかったわけではなく、リアルとオンラインができるだけ融合したようなものにしたかったんです。

株式会社HiOLI  取締役COO 玉井賀子

当時、日本でもD2Cという言葉が広まり始めていたタイミング。リアルとオンラインをうまくつなげて、ユーザードリブンでサービスをつくる過程を支えているプレイヤーがいないかと探していて。その中で、rootさんがFablic Tokyoさんのサービスの立ち上げをお手伝いされていたことを知って、お願いしたいと考えたんです。

カスタムオーダーをより身近にする『LaFabric』を支える、事業フェーズに応じたUI/UXデザインパートナーのあり方

西村:最初はコワーキングスペースで初めてお会いして、事業の概要をお伺いして。クラフトアイスというジャンルでのサービス立ち上げは独自性があって、面白そうだと思いました。Fablic Tokyoさんの立ち上げのお手伝いもしていたので、事業がどう立ち上がっていくのかはイメージできました。

ただ、服とアイスでは商材が大きく違います。アイスは冷凍でお客様にお届けします。届けるのにかかる日数やタイミングも考慮する必要がありますし、アパレルとは異なる点も多く、そこは悩みましたね。

玉井さん:商品として、単発で購入いただくものと、サブスクリプションで購入いただくもの、2つのパターンをやりたいという構想がありました。最初は、どのように2つの購買行動を実現するかのディスカッションからスタートでしたよね。

西村:サブスクリプションの構想が最初からありましたが、ECでサブスクリプションで販売するのは前例が少ない。ユーザーもサブスクリプションで商品を買うことに慣れていない状態。どうやって商品を訴求していくか?を考える必要がありました。

玉井さん:商品開発も並行して進めていて、rootさんに関わってもらうようになったのは、ロゴが決まり、味のフレーバーが決まっていた頃。まだ、商品のパッケージもサンプルを試行錯誤していました。

西村:だから、サイトに使用する写真と足並みを揃えるのも苦労しましたね。商品づくりも並行して動いていたので、新しい商品なので写真もパターンが決まっているわけではありません。商品の撮影が進むなかで、ECのデザインをつくりながら写真を当てはめてみて、調整していきました。

玉井さん:最終的に販売するものが、まだ完成していないため、コミュニケーションを密にして、お互いに考えていることにズレないようにする必要がありましたが、それがとてもスムーズにできたのが印象的でした。rootさんにだいぶ助けてもらった、いなければ立ち上げや運用はうまくいっていなかったと思います。

最初にご相談したときに、「立ち上げ終わりという関わり方はしないんです」と言っていただいて、うちもリソースが足りず、立ち上げたあとも社内に運用できる人がいるわけではなかったので助かりました。

株式会社ルート  デザイナー 手塚 瑛

手塚:私たちは、外部の人間ですが、半分内部の人間のように意識して仕事をしていました。毎週の定例会議で話すなど、コミュニケーションを密にするだけでなく、できるだけ進捗状況を可視化するために、一つひとつのタスクを切って、Trelloで可視化していました。

こうした積み重ねがあったからこそ、サービスが理想としていることと、ASP(ECカートの外部提供システム)の制約がある部分の帳尻をあわせられるように議論を重ね、ECサイトとしてサブスクリプションも含めて対応可能なシステムを構築するというハードルをクリアしていけたのだと思います。

西村:納品がゴールとなる動き方では、条件を明確に決めながら動く必要が出てきます。ですが、私たちは事業が立ち上がって成長していくところに関わりたい。そのため、ある程度の変化は前提に置いて関わろうと最初から考えていました。

リリース後もユーザーの声を聞きながらサービスを改善

手塚:最初は世界観を伝えるところに注力して、ECサイトをリリースしました。ただ、ECとしてはなかなか売れないという課題がリリース後に出てきて。運用フェーズでは、いろいろと改善を重ねていきました。

玉井さん:初期は、アイスのサブスクリプションを提供していることを伝えたかったんですよね。だから、ギフトよりもそっちを表に出して伝えようとしました。リリース後に、サブスクの会員数が伸びすぎると生産が追いつかないという問題があるとわかったり、オケージョンにおけるギフト需要が高いこともわかりました。

そのため、ECではまず買ってもらうようにして、サブスクリプションはファンクラブのようにHiOのアイスを長く楽しんでもらう方にどう入ってもらうかを考える、というように私たちの中でも役割が整理されていきました。

手塚:ミニカップのサイズを小さくしたり、パッケージも手書きのものに変更したり、商品自体も試行錯誤しましたよね。それに合わせて、ECサイトの写真も変えました。最初は、ブランドの世界観を重視していたためカップを積み重ねた中が見えない写真を使用していましたが、それだとシズル感が伝わらないということになって、写真を変えて味を伝えられるようにしました。こうした変更に活きたのがユーザーインタビューでしたね。

株式会社HiOLI  CXプランナー 田谷あず咲

田谷 あず咲さん(以下、田谷さん):店舗もあるので、私たちも直接お客様と話すことがあります。店舗にいらっしゃるお客様は描いていたペルソナに近いのですが、ECサイトに訪問している人はなにかが違う感じがして。店舗に足を運ぶ、ゆくゆくHiOのファンになってくれそうな人が、どうやってECサイトで購入するかが知りたかったんですよね。

手塚:店舗の状況もお聞きしていていて、なかなかECサイトが伸びないのはなぜか?と考えました。いくつかの仮説は出ていましたが、裏付けがGoogle Analyticsのデータしかありませんでした。傾向はつかめるものの、なぜそうなっているのかがわからない。それで調査設計して、ユーザーインタビューをしていきました。

最初のユーザーインタビューは、rootの身近で実施したんです。当時、私たちはWeWork神保町を拠点にしていたので、そこで受付の人に画面を見せながら話を聞きました。「中身がわからない」「選びにくい」といった意見をもらって、課題だと思っていた点が実はそうじゃないこともわかり、仮説のズレが浮き彫りになりました。

田谷さん:何回かはrootさんと一緒にユーザーインタビューをさせてもらって、やり方を教えてもらってからは自分たちだけでもユーザーインタビューを行いました。rootさんと一緒にユーザーインタビューを行ったことで、課題の共有がスムーズにできたと思います。

ユーザーインタビュー時に画面をどう操作しているかを観察していて、写真を拡大してフレーバーを確認していることがわかったり、セットになっているものをギフトとして購入されると想定していたのですが、全体を知ってからフレーバーを選んで購入するケースが多いこともわかりました。

手塚:ユーザーインタビュー時に、実際に商品を口にすると、美味しさに驚く方も多くて、ECサイトでアイスの美味しさが伝えられていなかったんだなと気づいたのも印象的でしたね。その結果を踏まえて、商品画像+商品名、価格、商品の概要がわかるテキストのみだった商品一覧画面でフレーバーを全て見せるように変更。また、商品ページでフレーバーの魅力が伝わるように改良しました。

以前は、生産者の声や素材のこだわりなど商品に関する詳細情報は伝えられていたものの、テキストだけだったので味の想起ができない状態。改善後は「美味しそう」と感じていただけるようフレーバーに焦点を当ててページを改修し、生産者の声や素材のこだわり等一歩踏み込むような情報はインタビュー記事に流すような設計にしていました。

田谷さん:商品設計自体を見直すきっかけになったんですよね。いろんな種類を食べたいという要望があったので、セットの中身を選べるパッケージをつくったり、実家や友人など身近な人に贈るギフトだとわかったので贅沢なパッケージよりも手書きのパッケージに変更しました。

手塚:運用フェーズでも様々な変化が起こり、プロジェクトに必要な情報がSlackだと流れてしまうこともあるので、情報をNotionに集約して可視化し、タスク管理やドキュメントの管理をしていきました。緊急のタスクが入ったら、タスクの優先順位を相談しながら、おさえるところだけ決めて、あとは柔軟に対応できるようにしていました。途中、関係者も増えていったので、情報の可視化は大切な作業でした。

ECサイトのリニューアル後、売上やCV率も改善

田谷さん:ユーザーインタビューでは、SNSの運用に関するヒントもありました。商品詳細ページがわかりやすくなったことでSNS経由でECサイトに入ってきたときに買ってもらいやすくなり、SNS経由からのコンバージョンも増えました。パイントクラブの売上は昨年の7月と比較すると倍にはなっています。コンバージョン率も向上して、その状態がキープできています。

玉井さん:2020年4月にはナチュラルローソンでの販売を開始しました。最も大事な夏のシーズンに向けて結果を出すために、昨年の秋冬で準備してきたことが花開いた手応えがありますね。

手塚:結果にちゃんとつながって一安心です。個人的には、世界観を伝えつつ、売れるECサイトのデザインが実践できたのは嬉しいですね。それが実現できたのも、HiOLIさんがしっかりとターゲットを’定めていたからだと思います。

田谷さん:今後も、販売チャネルは広げていくので、いろんな場所でお客様が食べられるようにしていくと同時に、HiOのアイスを食べた方が、「ECサイトでも注文してみよう」と思ってもらえるように改善を重ねていきたいですね。

西村:購買チャネルは増えていっているので、ECサイトではアイスのおいしさを多くの人に伝えて、HiOのアイスを知った後をしっかりカバーしたいですね。事業も成長過程なので、しっかり伴走していけるようにしたいと思います。

田谷さん:rootのみなさんは、ECサイトの立ち上げから一緒にやってきた同じチームのように思っています。ECサイトの運用を一緒に考えてくれて、HTMLを触ったこともなかった私にわかるように資料もつくってくれて、同じチームとして関わってくれた欠かせないパートナーです。

玉井さん:rootさんはプロジェクトとしてディレクションしてくれるだけでなく、私たちが実現したいことを汲み取ってくれて、一緒に考えてくれて、とても頼りにしています。今後もぜひご協力をお願いしたいですね。

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