- date
- 2022.01.06
事業成長のためにデザインする。rootが注目したサービスやプロダクトをピックアップ-SmartNews-
rootのデザイナーたちが、気になったサービスを考察しました。今回は「SmartNews」についてです。事業成長に伴走するデザイナーが日頃、どのような視点でサービスに触れているのかをご紹介します。
目次
SmartNewsとは?
SmartNews(スマートニュース)は、いま話題のトピックや最新のニュースが読めるスマートフォン向けのアプリ。国内や海外の政治や経済、グルメ、エンタメ、スポーツ、など豊富なコンテンツのニュースを無料で読むことができます。ニュース以外にも、全国4万店舗以上で使えるお得なクーポンを毎日配信。また、クーポンが使える近くのお店を地図アプリから探すことが可能です。アプリは世界各国で配信されており、ダウンロード数は5,000万を突破、月間2,000万人の利用者がいるとされています。
ユーザーの行動にどう組み込むか?
今回サービス考察をする上で「ユーザーの行動の中にSmartNewsをどう組み込もうとしているのか?」を論点にしました。具体的には、ユーザーに記事や広告を見てもらうための戦略を考察しました。
この論点にした理由は、事前調査の段階で「なぜニュースとは全く関係のないクーポンを毎日無料で配っているのか?」という疑問が出たことにあります。考察を進めていくうちに、クーポンを配ることで、ユーザーとの接点を増やし、1日の行動に「SmartNewsを開く」という動作を組み込もうとしているからではないかという仮説が生まれました。そのため、日々のユーザー行動の中でSmartNewsをどう位置づけようとしているのかを中心に考察することにしました。
プロダクトが実現したいこと
SmartNewsは「世界中の良質な情報を必要な人に送り届ける」というミッションを実現するために、以下のプロセスが考えられます。
1. ユーザー獲得
SmartNewsは、アイドル、ポケモン、マクドナルドなど多くのユーザーが興味ありそうな物とコラボしてテレビCMを放送しています。コラボの狙いは、多くの新規顧客を獲得し、ユーザー母数を確保するためだと思われます。
SmartNewsの初期設定画面では、性別や年齢などのユーザー情報を取得しており、それらの情報を活用して広告掲載しています。具体的には、SmartNewsを利用しているユーザーの情報から各セグメントを作成します。SmartNewsに広告を載せたい企業は、自分達がターゲットにしているセグメントに対してだけ広告を打ちます。こうすることで「ターゲットに対して広告を打つ」「広告の効果があったかを検証」のようなことができます。
つまり「多様なユーザーセグメントそれぞれに最適化した広告を打つことができる」というSmartNewsのバリューを作っています。
2. 毎日開く
SmartNewsでは、毎日使えるお得なクーポンを配布しています。クーポン内容も大手チェーン店で利用できる物が多く、ユーザーが利用できる場面が多いです。
例えば、買い物に使えるクーポンを掲載することで、朝の通勤時、にコンビニで買い物でSmartNewsを開く動機が生まれます。そこから、買い物前にアプリを開く→ニュースを見るというきっかけを作ることができます。
3. 記事を読んでもらう
SmartNewsでは、ユーザーに好ましい記事をピックアップする機能があります。具体的には、初期設定画面でユーザーが興味ありそうな記事/タブを設定しています。ユーザー情報から、興味ありそうなタブを先頭に配置し、多くの記事を読んでもらう狙いがあると考えられます。
4. 習慣化
SmartNewsでは、通知機能を利用してユーザにアプリを開いてもらう習慣付けを行っています。ただ通知をするだけだとユーザーがアプリを開くか不明なため、通知をする時間帯を7時、12時、18時、22時にデフォルトで設定してます。時間帯の意図は、ユーザーが通勤やお昼時間など比較的アプリを開きやすいタイミングを狙っていると考えられます。こうすることで、ユーザーが通知によってアプリを開く回数が増え、次第に通知なしでもアプリを見る習慣が増えると考えられます。
ミッションを実現するために
以上を踏まえて、SmartNewsの強みはユーザー獲得から習慣化までの一連の体験設計ができていることだと考察しました。このことが、SmartNewsがミッションを実現するために、行っているプロセスだと考えています。
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