- date
- 2025.10.09
エンタープライズが求めるStudio導入の真価 ー rootならではの価値提供と展望【Studio×root対談インタビュー vol.3】

大企業におけるWebサイト制作の課題解決策として注目を集めるStudio。マーケティングの高速化やセキュリティ対策、運用保守コストの削減など、エンタープライズ特有のニーズに応える導入が増えている。Studioのエンタープライズパートナーに認定されたroot代表の西村が、元gazのCEOで現StudioのCOOを務める吉岡さんに、導入のタイミングや支援の実態、今後の展望をお伺いした。
※本記事は、Studio×root対談インタビューの第3弾です。第1弾、第2弾の記事はこちら
「ノーコード×共創支援」でエンタープライズの内製化を加速——Studio×root連携の可能性【Studio×root対談インタビュー vol.1】
Studioの新機能がWeb運用の内製化を加速—プロからセミプロまでカバーする「Editor 5.0」【Studio×root対談インタビュー vol.2】

吉岡 泰之:Studio株式会社 COO / 元gaz CEO。デザイン会社gazを創業し、ノーコードWeb制作で日本一の実績を誇っていた。gazはStudioと合併し、現在はStudioのCOOを務める。

西村 和則:株式会社ルート CEO。事業成長を実現するためのデザイン支援を中心に事業展開するデザイン会社の代表。この度、Studioのエンタープライズパートナーに認定。
目次
エンタープライズ企業がStudio導入を検討するタイミング
——過去の実績から、エンタープライズ企業がStudio導入を検討するタイミングはどういった時だと考えられていますか?
吉岡:大きく2つあると見ています。
1つ目は、マーケティングの高速化が求められる場合です。 大企業ゆえにサイトを素早く公開できないという課題があります。情報システム部に依頼して要件を整理し、社内外を巻き込むとなると、LPを1本出すだけでも3か月かかってしまう。事業部門が権限を持ってLPを次々と作っていける体制にしたいという、部分導入のニーズが最も大きいと思います。
2つ目は、セキュリティや脆弱性に対する運用保守コストに対する懸念がでてきた場合です。 オープンソース型CMSの脆弱性を突かれて顧客データが漏洩する事例もありました。これはオープンソース型CMSが悪いというより、運用保守にコストをかけて体制を整えないとメンテナンスできないCMSだということです。その体制を作れないのであれば、より手軽でワンストップなプラットフォームとしてStudioを使おう、というお客様もいらっしゃいます。

西村:今、お話しいただいたようなニーズがあるのは同感です。オープンソース型CMSとの比較も強く出てきますし、複数人で扱う際のコストメリットの観点もあります。納品後、オープンソース型CMSの保守までをうまく行えずに運用されているケースをよく見かけますが、特にエンタープライズではセキュリティリスクが非常に高くなるため、Studioがそこに入っていく余地は大きいと感じています。
エンタープライズ支援ならではの期待される役割とは
——制作パートナーに期待されるエンタープライズ支援ならではの役割は何でしょうか。
吉岡:エンタープライズの支援では、単なるWebサイト制作にとどまらず、社内の複雑な意思決定や合意形成のサポートが不可欠です。現場担当者が「やりたい」と思っても、複数の決裁者や関係部門との調整が必要で、プロジェクトが止まってしまうことも少なくありません。
元々gazでは、制作パートナーという枠を超えて、クライアント企業の一員のように入り込み、どのタイミングで誰にどう説明すれば合意が得られるか、必要な資料や根拠まで一緒に考え、伴走することを大切にしていました。特にエンタープライズ企業では、現場担当者が孤軍奮闘しがちなので、外部の「味方」として寄り添い、時には社内調整の壁を一緒に乗り越える存在になることが求められます。
また、プロジェクト初期から経営層や情報システム部門、マーケティング部門など多様なステークホルダーとコミュニケーションを取り、全体の方向性をすり合わせていくことも重要です。こうした「エンタープライズディレクション」とも呼べる役割は今後も必要とされ、より高度な支援が求められていくと感じています。
rootさんは、こうした複雑な調整や合意形成のプロセスにしっかり寄り添えるパートナーだと感じており、エンタープライズ領域で非常に相性が良いと考えています。
西村:まさにおっしゃる通りで、エンタープライズ企業では、新しいツールや仕組みを導入する際、社内で反対意見や懸念が出ることが少なくありません。従来のやり方を変えることに対しては、現場担当者だけでなく、上層部や他部門からも慎重な声が上がることが多いですよね。そのなかで私たちが大切にしているのは、まず担当者の熱量や「なぜやりたいのか」という思いをしっかり受け止め、その意義や目的を一緒に言語化していくことです。
そのうえで、社内のキーパーソンや決裁者に対して、単なる機能説明ではなく、導入によってどんな価値が生まれるのか、業務がどう変わるのかを具体的に伝え、納得感を持ってもらうためのサポートを行っています。rootでは、こうした「社内の巻き込み」や「合意形成」のプロセスを支援するノウハウがあり、どのクライアントに対しても組織や担当者の視点に立った提案・支援を提供できるのが強みです。
大きなクライアントほど、この支援の価値は高まると実感しており、今後も強化していきたいと考えています。

エンタープライズ支援におけるrootの価値提供と展望
——gazがエンタープライズ支援で意識していたことを教えてください。
吉岡:従来gazでは「Studioを日本一理解している」という自負を持って支援してきました。
その中で、エンタープライズの案件においては特に提案段階から実際にお客様のオフィスに伺い、要件定義だけでなく会社の雰囲気や真のボトルネックを把握することで、担当者との信頼関係を築くことを重視していましたね。
西村:なるほど。「実際に現地に足を運び、担当者との信頼関係を築く」という点は、rootでも非常に重視しています。エンタープライズ企業では、メールやWeb会議だけでは見えてこない組織の課題や、階層化された承認フロー、現場との温度感のギャップがあります。そこを理解せずに提案しても、社内で通りにくいですし、仮に導入できても運用で躓いてしまうことが多いですよね。
吉岡:そうですね。従来gazではこのようなスタイルで支援してきましたが、支援範囲はWeb制作とStudioのオンボーディング、社内体制づくりまでにとどまっており、実際にオウンドメディアの運用がうまくいくか、事業の数字を伸ばせるかという部分までは、コミットしきれなかったのが課題でした。

西村:まさにそこが、rootとして新たに提供していきたい価値です。クライアントのマーケティング部門と連携しながら、サイト構築から運用、さらには事業成果の創出まで、一気通貫で支援する。組織づくりやプロダクト理解、PdM的な役割も担い、単なる制作パートナーではなく、事業成長や組織変革の実行推進まで支援していきたいと考えています。
吉岡:私もそこがrootさんの強みであり、期待している部分です。rootさんはマーケティング戦略の策定から運用の最適化まで、エンタープライズ企業が求める「3年スパンでの投資回収」や「内製化による長期的な効率化・組織化」といったニーズに応えられると思います。
西村:ありがとうございます。rootとしては、Studioを活用し、クライアント組織と共創しながらブランド・マーケティングデザインの戦略策定から実行までを支援し、さらにクライアント組織で運用を内製化できるよう実行推進をサポートしていきたいと考えています。
今後、Studioが進化していくなかで、単なるツールではなく、クライアント企業との共創パートナーとしてより深い価値を生み出すために不可欠なプラットフォームになっていくと思うので、非常に楽しみにしています。
今回は非常に有意義なお話をありがとうございました。

rootでは、エンタープライズ企業向けのStudio導入・活用支援のご相談を承っています。マーケティング戦略の策定から実装、内製化支援まで、一貫したサポートを提供しています。まずはお気軽にご相談ください。
📣10月11日・12日のDesignship2025に登壇します
また、そんなrootは、今年も来る”Designship2025”に、スポンサーとして参加いたします。
今年は、登壇を2つ予定しております!
今年のテーマは、『さぁ、今こそ共に ” 事業価値をつくるためのデザイン目標 ” を立てよう。』です。
” デザイン目標 ” は数値化しづらいため、目標設定が難しい。目標にできないことで、成果ではなくアウトプットだけで評価されてしまう。その連鎖が、デザインの責任範囲を狭めてきました。
目標とはゴールの実現に向けて定める“あるべき状態を示す指標”であり、ユーザーを幸せにするためには、事業目標から ” デザイン目標 ” を立て、成果を生み出していくことが重要であると考えています。
ぜひ、会場にお越しいただき、CEO西村と、プロダクトデザイナー納谷の登壇を通して、「事業価値を作るためのデザイン目標とは何か?」「今、私たちに求められているデザインリーダーシップとは何か?」を、一緒に考えてみませんか?
ご来場いただいた方限定に、特別オファーとなるクローズドのイベントもご用意しています。会場でお会いできることを楽しみにしています!
<登壇情報>
DAY1:10/11(土)15:20〜15:40
会場:オープンステージ
テーマ:チームで事業価値を生み出す、プロアクティブなデザイナーになるための道のり
登壇者:プロダクトデザイナー 納谷早瑛
DAY2:10/12(日)15:00〜15:20
会場:メインステージ
テーマ:組織の右腕として共創する – デザインと経営の二つの視点から見えた、新しい支援のかたち
登壇者:CEO 西村和則

<イベント情報>
イベント名:Designship 2025
日程:10月11日(土)・12日(日)
場所:東京ミッドタウン ホール&カンファレンス(東京都港区赤坂9-7-1)
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