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Uber でのデザイン:6大陸450都市を超える人々に向けてデザインする

この記事はUberのLeading design team memberであるEthan Eismann氏のブログ記事を公式に許可をいただき翻訳したものです。


このわずか6年間で、Uberは世界中の人々における移動手段として生活のなかに溶け込むことができました。私がここに在籍してから一年弱が経ちますが、いまの仕事で最もチャレンジングでやりがいに感じていることは、世界中のあらゆる場所にいる人たちに使ってもらえるサービスをデザインすることです。世界各地で毎月5000万回以上使用してくれている乗客と、150万を超えるアクティブなドライバーを抱えるUberにとって、このエクペリエンスをスケールさせていくことがすべての根幹にあります。

私たちがいかにこれを可能にしているかについて、3部構成にして執筆しました。第1弾は、都市や住民の人たちに向けてデザインすることについてお話しします。そのなかから、いかに使いやすくてローカルに感じられるグローバルプロダクトをつくりあげ、それを世界400を超える都市で維持しているかについてお答えしたいと思います。

スクリーンを飛び超えてデザインする

ほんのちょっとだけ、あなたが最後に移動したときの経験を思い出してみてください。それは車、バス、電車、地下鉄でしたか?あるいは徒歩、自転車、スケートボードだったでしょうか?そのなかでどれくらいの人たちと出会いましたか?あなたの周囲はどんな感じでしたか?天気はどうでしたか?ストレスはありましたか?また、いくらかかりましたか?

次に、あなたが最後に異国を訪れたときのことを思い出してください。そこでの移動の経験は、自国での移動とどう違いましたか?

移動はときに簡単だったり、難しかったり、心地よかったり、複雑だったりします。その理由は、あなたの移動の手段や場所に関係なく、移動をするときにあなたが感じて経験することは、常に物理的、文化的、感情的な側面が内在しているからです。それは文脈的であり、複雑なことです。

私たちUberの目標は、この複雑さと向かい合い、世界中の移動におけるエクスペリエンスをより信頼できて、良いものにすることです。時間とお金の節約を実現したり、安らぎを提供したい。そして理想を言うならば、そのなかで一種の喜びも感じてもらいたいのです。これを成し遂げるためには、スクリーンをはるかに飛び越えて考え、デザインをしなければなりません。

5つの側面からデザインする

私たちはデザインのスキルについて5つの側面があると考えています。私たちは心理学者であり、ユーザーに深く共感してもらえるものをつくり、彼らの視点で世界を見るように心がけています。私たちは民族誌学者であり、世界各地の文化についてリサーチしています。私たちは科学者であり、多面的なデータから物事の実態を見抜き、ユーザーエクスペリエンスに活かしています。私たちは起業家であり、ヒトとマーケットへの理解を通じて戦略を策定します。そして、私たちは職人であり、自分たちの美学に基づいて、洗練されていて使いやすいエクスペリエンスを形づくっています。

私たちはこれらのスキルをすべて活用することで、世界中のあらゆる文化圏にいるユーザーのニーズに応えられる、スケーラブルなプロダクトをつくっています。乗客専用とドライバー専用の両アプリとも、ユーザビリティーとカスタマイズができることを中心にデザインされています。これはUberの基本的なエクスペリエンスが世界のどこでも安心して使えることを担保しながら、適度なフレキシブルさを持たせることで、各都市の独自性や住民のニーズに応えることを可能にしています。

いくつか例を挙げましょう。

住民のためのデザイン

インドでの現金決済について

昨年早々、私たちのデザインチームがインドの市場を覗いたとき、乗客のニーズに応えられていないということがわかりました。まだクレジットカードの普及率が低いことや、デジタルでの決済手段も十分に整っていなかったため、インドの乗客は現金で決済をすることを望んでいました。そこでUberのエクスペリエンスを再構築し、乗客に現金の決済を可能にしたことで、大きな成功をもたらしました。数ヶ月間のうちにこの現金決済はインド中に広がり、さらにその他の現金決済が主流なマーケットにも広がっていきました。現在では多くの途上国でも現金での支払いが可能になっています。

難聴・聴覚障がい者のためのUber

私たちはユニバーサルなユーザビリティーのためにもデザインしています。独自のソリューションを通じて、Uberが世界中のすべての人たちにとってアクセス可能なものにしています。例えば、私たちはUberを難聴や聴覚障がいの方々にも確実に使ってもらえるようにと考えていました。そこで乗客専用のアプリには、難聴持ちもしくは聴覚障がい者かどうか、ドライバーに知らせる機能を盛り込みました。さらに通話の機能を使用不可にし、ドライバーに詳しいピックアップ場所などを指定する際はテキストでコンタクトするよう促しました。一方、ドライバー専用のアプリでは、画面が点滅する動作を乗車リクエスト画面に追加したことで、音の通知では気づけないドライバーの注意を引けるようになりました。私たちはこれらの機能を2015年8月に、まずアメリカの4都市でローンチしました。今日では、300を超える各国の都市で、多くのUberドライバーに使用されています。

都市のためのデザイン

ニューヨークでのUberPOOL

マンハッタンには多くの細道、一方通行路、そして指定方向外進行禁止の制限があります。そのなかで私たちが学んだのは、通勤時の乗客にピックアップしてもらうポイントを少しだけ変えてもらうだけで、20分もの時間の節約ができるということです。そこでUberPOOLを新たにデザインし直し、双方にとってより効率的にピックアップができるよう乗客に近くの角まで向かってもらうようにしました。アプリ内では、ドット線が歩くことを示し、ソリッド線が車のルートを表しています。乗車時間を短縮できたことで、ドライバーもあえて脇道に逸れたりして乗客を拾う必要がなくなったため、効率も上がりました。

ニューヨークのUberPOOL

マニラでのUberHOP

マニラの都心部では、乗客は通勤のために毎年1000時間を費やしています。徒歩で一方通行路を避けられるマンハッタンとは違い、マニラでは全体的な渋滞の解消と、ピックアップに適した場所が必要でした。そこで私たちはより多くの客を乗車させることができて、あらかじめ固定されたルートを走る自動車を導入しました。これによって、ラッシュアワー時に同じ方向に通勤している人たちに固定価格でライドシェアの提供することを実現できました。忙しい時間帯に密度が高いエリアをターゲットすることによって、より多くの人たちを少ない数の自動車に乗せることができました。

それに加えて、乗客がどの方向にむかっているかわかるようにしたり、ピックアップ場所にあと何分で到着するかわかるようにデザインをしました。 UberHOPをマニラ都心部でローンチして以降、およそ9万6500キロの走行距離と約7500リットルの燃料を個人が通勤していた場合と比べて節約することができました。

マニラのUberHOP

特定の人たちに向けてユニバーサルなデザインをすること

Uberを地球上のあらゆる都市、そしてその住民たちの多様なヒューマンエクスペリエンスに向けてデザインするには、スクリーンをはるかに超えて思考する必要があります。私たちのユーザーエクスペリエンスはアプリのアイコンだけで決まるものではありません。各都市に存在するインフラや文化基盤、さらには住民たち一人ひとりのユニークな視点によって形づくられます。この豊かさ、そして複雑さこそがUberでのデザインを非常にチャレンジングなものにしています。同時に、この挑戦こそがUberでのデザインをユニークでやりがいのあるものにしています。

近いうちにこのシリーズ第2弾の「ソフトウェアからストリートまで」を公開するので乞うご期待ください。Uberの各プロダクトにおいて、どのような問題に日々取り組んでいるのかについてお話ししたいと思っています。私たちがどんな方法でインタラクションのデザインしているか、そしてどんな制限のなかでデザインをしているのかを垣間見ることができるでしょう。

<後略>

原文: Design at Uber – From Pixels to People

翻訳者: 佐藤ゆき

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