- date
- 2014.11.17
ネイティブ広告は次世代のスタンダードになる?
Webコンテンツなどに付帯して表示されることの多いネイティブ広告。記事やコンテンツに広告を自然に溶け込ませることで、ユーザーにストレスを感じさせずに情報を届ける、新しい広告形態として注目されています。では、このネイティブ広告にはどのようなものがあるのでしょうか。その手法と運用するうえで注意したいポイントをご紹介します。
目次
全部知っていますか? 5種類のネイティブ広告
1. インフィード広告
記事やコンテンツに混ざって表示される広告を指します。タイトルのリスト中にさりげなく配置されていることが多く、デザインフォーマットもほかのコンテンツと同じものが使用されているため、パッと見ただけでは広告とは気付かないものばかりです。ページ内のコンテンツの1つであるかのように配置されていますが、記事タイトルのそばに「広告」「プロモーション」「PR」「Sponsored」などと書かれているのが特徴です。
FacebookやTwitterなど、上から下に向かってコンテンツを読み進めるタイプのサイトに、よく用いられています。
2. レコメンドウィジェット
ブログやニュースサイトの下に表示される「この記事を読んだ人におすすめの記事」や「関連記事」などの枠を利用して配信される広告を指します。通常の記事やコンテンツと同じように違和感なく見えるという点はインフィード広告と似ていますが、あくまでレコメンド枠の中で配信されているのが特徴です。
また、記事を読み終わった人に対してさらに別の記事をおすすめするという形態のため、移動先のページでも同様に、記事コンテンツを期待されやすいという特徴があります。
3. リスティング広告
GoogleやYahoo!などの検索エンジンで使われている広告形態で、ペイド・サーチ型広告と呼ばれることもあります。ユーザーが検索したワードと連動し、関連性のある広告を表示させる手法です。そのため、基本的にはテキスト広告の形態をとります。通常の検索結果のように表示されますが、専用の広告枠の中に表示されるうえ、「広告」などと表示されているため、必要のないユーザーにとっては比較的見分けやすい方法と言えるでしょう。
4. プロモートリスティング
ショッピングサイトや特定のジャンルの検索サービス(レストラン検索サイトや、不動産検索サイトなど)の検索ワードと連動し、検索結果とともに表示される広告を指します。専用の広告枠に表示されるなど、形態はリスティング広告と似ていますが、サイトのジャンルにあわせて出稿できるため、ターゲットに対してよりリーチしやすいという特徴があります。
5. カスタム型
このほかにもネイティブ広告にはさまざまな形態があり、上記に当てはまらないものはまとめてカスタム型と呼
ばれています。中にはLINEスタンプなど、そのメディア特有のプラットフォームを利用したものも多く、グループ分けが困難であることが理由です。
ただ、ユーザーに違和感を与えることなくリーチできるという点はどれにも共通しており、アイデア次第で新しい形態の広告を生み出すことができると言えるでしょう。
なぜ、ネイティブ広告は必要とされているのか
こうしたネイティブ広告は、なぜ生まれたのでしょうか。
もともと、広告は記事やコンテンツと別の位置に配置され、誰が見てもそれと分かる体裁になっているのが一般的でした。その最たる例が、現在も広告の主流の1つであるバナー広告です。専用のスペースに収められており、見た目もページ内のデザインを踏襲していないため、一目で広告であることが分かるようになっています。
しかし、こうした「いかにも」な広告を毛嫌いする読者は少なくありません。記事やコンテンツを読むために訪れたページに広告が表示されていると、誰でも「わずらわしい」と感じるもの。最初から広告は目に入れずに、読み飛ばしてしまう人も多いのではないでしょうか。 また、スマートフォンやタブレットなど小さい画面で表示する場合、広告が入ってしまうと肝心の記事やコンテンツが見えにくくなってしまうというデメリットもあります。そのため、アプリの中には、広告を表示させない機能をわざわざ付与しているものもあります。
もちろん、広告を出稿している側からしてみれば、こうした事態は好ましいものではありません。せっかくターゲットにリーチしたいと考えて出稿しているのに、毛嫌いされたり、そもそも表示されないようブロックされてしまったりするのであれば広告を出す意味はありません。 また、メディアの立場からしても、広告を出してもらえないと媒体の存続が危うくなってしまいます。こうした理由があり、メディア側は「いかにして読者に広告を読んでもらうか」に注力する必要が出てきました。
こうした流れの中で生まれてきたのがネイティブ広告です。記事やコンテンツに広告を溶け込ませ、自然なかたちで配信することで、読者にとって違和感のないページになり、広告主へはターゲットへリーチしやすいことをアピールできるようになったのです。
ネイティブ広告は「だまされた」と思われる?
ネイティブ広告は、記事やコンテンツに広告を自然なかたちで溶け込ませることで、バナー広告に見られるような「広告らしさ」を取り払うことには成功しました。あまりにも違和感がないため、どのような形態のものがあるのかを知っていないと、見分けることすら難しいものばかりです。しかし、そのことがユーザーにとって新しいストレスを生み出しているケースも少なくありません。
ユーザーがストレスを感じる大きな原因は、ほかの記事やコンテンツと同じように見えてしまうため、広告と気付かずにクリックしてしまうことにあります。もちろん、よく見ればどこかには「広告」や「PR」などと書かれてはいますが、表示が小さかったりと目立ちにくいため、見つけることは簡単ではないでしょう。 記事やコンテンツだと思って開いたページが広告だったら……、ユーザーにネガティブな印象を与えることは言うまでもありません。
今後、ユーザーに受け入れられるために必要なこと
こうしたネガティブな印象を払拭し、ネイティブ広告がユーザーに受け入れられるためには、では、何が必要なのでしょうか。1つには、リンクをクリックする際にユーザーが感じている「面白そうな記事が読める」という期待を裏切らないという方法が考えられます。
ユーザーのほとんどは、ネイティブ広告が広告であることには気付かず、まわりにあるリンクと同様、記事やコンテンツだと思ってクリックします。したがって、例えば記事広告のように、広告の内容に興味を持ってもらえるような記事やコンテンツを挟むことができれば、ユーザーが「思っていた内容と違う」と感じるケースは少なくなるでしょう。
ネイティブ広告は、今のところユーザーに自然なかたちで広告を「クリックしてもらう」ことには成功していると言えます。今後はさらに、その広告を違和感なく「読んでもらう」ための工夫ができるかどうかが、次世代広告のスタンダードになれるかどうかの、分かれ目となるのではないでしょうか。
参考:
12 Examples of Native Ads (And Why They Work)
Why Native Advertising Is Neither
Is Native Advertising Just Another Term for ‘Good Advertising’?
What is native advertising anyway?
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