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“まだ何も決まっていない”クライアントに向き合うデザイナーへのアドバイス

この記事は、ウクライナに拠点を置くデザイン・ブティック『TheRoom』のブログ記事を公式に許可をいただき、翻訳したものです。


「フィンテック領域のスタートアップ、やりたいんだよね」

そう、クライアントが言う。どうやら「フィンテック領域であること」以外は、何も具体的に決まっていないらしい。その段階からデザインに着手する必要がある。さて、どうやって?

デザイナーなら一度は身に覚えのある状況だろう。私たちのチームが、初めてこの状況に遭遇したとき、軽くパニックに陥ったのを覚えている。

そのクライアントはスタートアップを立ち上げたいと言った。「飲食店で割り勘ができるアプリをつくりたい」のだと。彼のアイデアはそれだけだった。具体的な機能も、画面遷移図も、想定ユーザー像すら未定。ほぼ何も決まっていない状態からアプリをデザインしなければならなかった。

153のワイヤーフレームと2つのダッシュボード、ランディングページ、数十ものプロジェクトを経て。そのアプリ、そしてスタートアップは成功を収めた。

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(開発した割り勘アプリ『Chqmate』 )

その後、再び“ほぼ何も決まっていない”と言うクライアントに遭遇したとき、私たちは必死で要望を聞き出そうとした。しかし、返ってきた答えは「リスク分析のBtoBソリューションをつくりたい」だけだった。

リスク分析とは何なのか、そこで用いられる「決定木」という概念、あるいはAIベースのBtoBツールについて。デザインに取り掛かる前に、自分たちで調べていく必要があった。

最終的には、最高に使いやすいビジネスソリューションが完成した。

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完成したソリューション『Maia』のインターフェース)

その後も“ほぼ何も決まっていないクライアント”と何度も遭遇した。その度に私たちなりにミラクルを起こし続けてきたつもりだ。“ほぼ何も決まっていない”案件を自分たちの強みにできればと思っている。

UXリサーチが案件を推進する鍵となる

“ほぼ何も決まっていないクライアント”案件で最初に役立つのはUXリサーチだ。誤解を恐れずに言うと、多くの場合、UXリサーチはクライアントよりも、社内のデザインチームの業務を支援する役割と捉えられている。しかしプロジェクトについて決まっている情報が少ないときは、UXリサーチが案件を推進する役割を担う。

アプリやサービスの構造も、ユーザーインターフェースも、利用フローも決まっていない。そうした場合は私たちで作ってしまえば良いのだ。

実践すべきUXリサーチの手順

1.マーケット分析とニッチ分析から始めよう
similarweb を使って競合分析し、想定ユーザーの基本的な情報を把握しよう。
2.直接的な競合と間接的な競合、ベストプラクティスを評価してみよう
UXは優れてるのにUIが微妙な事例もあれば、UIは優れているのにインターフェースが使いづらい事例もあるだろう。視野を広げ、インスピレーションを刺激しよう。
3.ユーザーを理解しよう。「ジョブ理論」は万能だ
ユーザーのタスクを想定し、それらをアプリがどう解決するのかを洗い出し、機能リストを作成しよう。
4.機能リストをもとに画面遷移図とユーザーフロー図を作成する。

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(ライフスタイル支援チャットボットアプリ『Zenklub』)

スタートアップの創業者になったつもりで思考する

ここまで説明した手順を踏めば、十分に質の高いデザインを生み出せるはずだ。しかし、もう一つ重要なポイントがある。それは、スタートアップの創業者になったつもりで思考することだ。クライアントのビジネスを自分のビジネスとして捉えよう。それによって会社とエンドユーザーの双方にとってベストなデザインを実現できる。

データも概要もリサーチ情報もないとき、私たちは常にクライアント視点を意識してきた。そうすると、クライアントは私たちを単なるデザインスタジオとしてではなく、外にいるパートナーとして見てくれる。私たちも質の高いデザインを提供できる。

もちろん、事前に概要をまとめてもらうのもシンプルかつ有効な方法だろう。しかし簡単な方法がベストとは限らないのが難しいところだ。その概要は的外れかもしれないし、クライアントが必要な情報を共有してくれるとは限らない。クライアント自身がプロダクトについて思考が固まっていない場合もある。

だからこそ、私たちはプロセスに伴走する必要があるのだ。デザインに取りかかる前に十分なデータを集め、クライアントのビジネスを研究しよう。そうすれば、この方法が最適であると実感できる。期待を超える質の仕事を成し遂げられるかもしれない。

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