- date
- 2025.10.08
デザイナーが次のキャリアを見失う理由 〜リーダーシップが突破の鍵〜

こんにちは。ルートCEOの西村です。
いよいよ今週末、Designship2025が開催されます。
僕たちルートは、今年もスポンサーさせていただいており、2つの登壇をさせていただきます。
①「チームで事業価値を生み出す、プロアクティブなデザイナーになるための道のり」
プロダクトデザイナー 納谷(@yasai10reta)
10/11(土) 15:20〜15:40 @オープンステージ
②「組織の右腕として共創する – デザインと経営の二つの視点から見えた、新しい支援のかたち」
CEO 西村(@nishimuu)
10/12(日) 15:00〜15:20 @メインステージ
今日は、Designshipの登壇内容にも繋がる、デザイナーのキャリアをテーマに記事を1本書いてみます。自身のキャリアに悩んでおられる方や、一通り現場でのデザインをやりきられた方にとって参考になるものになれば幸いです。
目次
はじめに
少し前に、Fast Companyで「デザインリーダーに新しい教育が必要だ」という記事を読んだ。
(→ Why design leaders need a new kind of education)
この記事では、デザイン教育がいまだに“創造性”や“アウトプットの質”に重きを置いている一方で、ビジネス理解やリーダーシップといった「経営的な視点」が欠けている現実が指摘されていた。
そして、その欠落が現場のデザインリーダーたちを苦しめていると。
多くのHead of DesignやCDOが、経営との間に横たわるギャップを埋められず、
「創造性の価値をどう事業に変換するか」という問いに直面しているとも書かれていた。
日本でも、同じ課題が静かに広がっている
この問題は、決して海外だけの話じゃない。
僕自身、クライアントワークを通じて多くの企業のデザイン支援をしてきたが、
ここ数年、クライアントからの期待値が明確に変わったと感じている。
「新しいUIを作ってほしい」ではなく、
「事業の目標に対して、デザインをどうアラインできるか」。
創造性よりも“成果との接続”を問う声が、圧倒的に増えた。
つまり、いま求められているのは ”つくる力”ではなく、”導く力”だ。
でも現場を見ると、多くのデザイナーがまだその変化に立ち尽くしている。
アウトプットで評価されてきたキャリアが、突然 “アウトカムを問われる時代” に突入している。
このギャップに、戸惑っている人は少なくないはずだ。
デザイナー7年目でぶつかるキャリアの天井
僕自身も、過去、UI/UXデザインを一通り経験し、
リードデザイナーとしてプロジェクトを牽引できるようになった頃に、同じ壁にぶつかった。
「次は何を目指せばいいんだろう?」
「この先、自分のデザインはどんな価値を生み出せるんだろう?」
マネジメントを任されてみても、
現場との距離の取り方に悩み、結局 “手を動かすこと” に戻ってしまう。
そんなジレンマを抱えるデザイナーが本当に多い。
これは、スキル不足ではなく、視座の問題だと思う。
つまり、“つくる視点”から “導く視点” への転換が、起きていないことが原因なのである。
組織にデザインマネジメントが根付かない理由
多くの事業会社では、デザイナーは少数精鋭。
インハウス化が進んでも、デザイン組織の多くは“島”のように存在している。
「マネジメント」と言っても、
それがピープルマネジメントにとどまっているケースが多い。
つまり、人を支え、中長期的なマネージャーとしての役割責任をもつことはできても、事業を動かすマネジメントが機能していない。
経営からデザインがどう事業に貢献するかという指針が曖昧なまま、
PMからデザインマネージャー、そしてデザイナーに「とりあえずいいものを作って」とオーダーが入る。
これでは、チームもデザイナーも成長しない。
「デザイン目標」が立たない組織の多さ
事業には事業計画があり、開発にはそれに基づいたロードマップがある。
けれど、デザインには、目標や計画が存在しないことがあまりにも多い。
デザインは「お願いベース」で動きがちだ。
何を達成したいのか、どんな成果を狙うのかが明確でないまま、
“ものづくり”だけが進んでいく。
アウトプットはできるが、成果に繋がらない。この状態を放置すると、
デザイナー自身が「事業成果に貢献できていない」と感じ、キャリアの方向を見失ってしまう。
「デザインはビジネスとは違う」という誤解
すべての事業活動には、ゴールがあり、その達成のために目標がある。
売上も、シェアも、ユーザーの継続率も、すべて目標。
その中で、デザインだけが“目標から離れて”存在しているのはおかしい。
それは経営や上長のせいではなく、事業や組織の目標に対して、
デザイナー自身が“自ら提案を起こし、デザイン目標を立てられていない”からだ。
「なぜこのデザインをするのか」
「それはどんな事業成果につながるのか」
こうした問いを、自分の手で言語化しない限り、デザインは現場の“飾り”になってしまう。
デザイナーに求められる新しいケイパビリティ
創造性やUI/UXデザインスキルだけではもう足りない。
これからの時代に求められるのは、
不確実で変化の激しい環境の中で、事業やサービス全体を理解し、上位の目標とアラインするデザイン目標を立て、共創することが求められている。
つまり、デザイナーが自らリーダーシップを発揮することだ。
他職能と同じ目標を立て、その達成に向けて、「デザインでどうアウトカムを生み出すか」を定義し、遂行する。
そのプロセスに主体的に関わることが、“デザインリーダー”への第一歩になる。
リーダーシップは“責任を持つ経験”から生まれる
リーダーシップは、肩書きではない。
〜shipとはその状態を指す言葉。リーダであるために必要なケイパビリティやマインドは色々とあれど、一番必要なのは、責任を引き受け、結果に向き合う覚悟のことだと思う。
最初は小さくていい。
ひとつの機能改善でも、体験の見直しでも構わない。
大事なのは、「それがどんな事業成果を生み出すのか」を考えること。
そして、仮説を立て実行し、結果を振り返る。
その繰り返しの中で、デザインリーダーとしての感覚が育っていく。
依頼に応えるデザイナーから、自らの意思で提案し、事業を動かすデザイナーへ。
その境界線は、意外と小さな一歩から始まる。
次の挑戦を模索しているあなたへ
今回は、デザインリーダーシップについて断片に触れたたが、僕が本当に伝えたいのは、
この“目標を立てて遂行する”という行為が、
デザイナーとしてのキャリアを大きく変えるということだ。
今の環境や役割にモヤモヤを感じているなら、それは停滞ではなく、 変化のサインだと思う。
今週末、Designshipの登壇では、僕自身の経験をもとに、
どのようにデザインの目標を立て、事業や組織の成長に繋げてきたかを話します。
もしあなたが今、次の挑戦を探しているなら、ぜひ会場で一緒に考えてみませんか。
さぁ、今こそ “事業価値をつくるためのデザイン目標” を立てよう。
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