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rootメンバーが選ぶ 理論と実践をテーマとした本5選

rootでは、メンバーが仕事において最大限のパフォーマンスを発揮できるよう、日頃から成長を加速させるような機会や環境を組織として積極的に提供しています。

その中のひとつの取り組みとして、月に一度メンバー全員で本屋に足を運び、各々に本を選んでもらい購入する機会を設けています。実際に本屋に足を運ぶことで関心や興味の幅が広がったり、新たな発見を得ることができます。
今月は新型コロナウイルスの影響もあり、メンバーのリクエストをもとにオンラインでの書籍購入となりました。

今回は、「理論」と「実践」に関する本が多く集まりました。理論によって物事の筋道や道理を学び、学んだ理論をもとに実践で検証する。この理論と実践とを行き来することで、一般化された理論をより現実の課題感やケースに適応した形に落とし込むことができます。学んだ理論をただ知識としてインプットするのではなく、深めたり広げたりしながら実践の場で検証していくことが大切です。
では、rootメンバーが理論と実践とをバランスよく学ぶために、日々どのような本を読んでいるかをご紹介します。

前回のオススメ本紹介記事はこちら
デザインの価値を発揮するために 本質と探求をテーマにした本4選

INSPIRED 熱狂させる製品を生み出すプロダクトマネジメント

INSPIRED 熱狂させる製品を生み出すプロダクトマネジメント
著者:マーティ・ケーガン

リーンやアジャイルと言う概念が登場する以前から執筆されていたプロダクトマネージメントについて触れられた書籍です。 シリコンバレーに拠点を置く著名テクノロジー企業が実践する製品開発の手法を事例を交えながら紹介してくれている一冊となっています。 監修者あとがきはこちら

プロダクトマネージャーと言う概念が日本ではようやく認知され初めているステージであり、それを補佐するUXデザイナーやエンジニアにおいてもプロダクトマネジメントとは何かを熟知するための一冊。デジタルプロダクトの開発において基礎的とも言える内容だが、チームにおいてこの考えを統一した見解として持ち取り組めている事業はまだまだ少ないのではないでしょうか。 プロダクト開発チームでこの本を読み合わせすることでも効果は一定あると感じます。
またデザイナーの観点からもプロダクト開発サイクルにおける課題や顧客との向き合い方など知っておいて損はないものが多数掲載されています。

伝わるデザインの基本 増補改訂版 よい資料を作るためのレイアウトのルール

伝わるデザインの基本 増補改訂版 よい資料を作るためのレイアウトのルール
著者:高橋 佑磨

伝わりやすさに重点をおいたデザインの基本的なルールがまとまっている本です。この本でまとめいるデザインのルールを抑えることで、デザインの作成や資料制作の伝わりやすさがグッと上がったものを作ることができます。また、本書に書いてあることは資料作成にも使えるルールなので、企画書やスライド作る機会のあるノンデザイナーの方にもおすすめです。

この本は新卒の方だけでなく、デザイナー3年目の私でも定期的に振り返りたい内容がまとまっています。デザインをしていて「どこかわかりにくい」と思ったらこの本を開いて伝わりやすさのポイントを抑えられているのかチェックしたりと、1度読んで終わりではなく困った時に読んだりして本を反復して読むのをおすすめします。この本と合わせて、美しい・かっこいいと言った表現の仕方をまとめた本を読むと、さらにデザインの力を鍛えることができると思います。手元に1冊は置いておきたい本です。

子どものUXデザイン – 遊びと学びのデジタルエクスペリエンス

子どものUXデザイン ―遊びと学びのデジタルエクスペリエンス
著者:デブラ・レヴィン・ゲルマン

この本の著者デブラ・レヴィン・ゲルマンは、主にインタラクションを伴う子ども向けメディアのライター、リサーチャー、デザイナーです。 彼女の豊富なリサーチワークから得た知見と、心理学者ピアジェの認知発達論を元に、子どものデジタルプロダクトの体験デザインについて論じた本です。 著者は、子どもは、認知能力とスキルが発達途中であり、また急速に発達することを前提に、体験を設計する必要があると主張しています。 子どもの年齢層ごとの認知能力の発達程度と、適切なインターフェースの例が書かれています。

いま、子ども向けサービスのデザインに関わっていて、この本を手に取りました。 何かをデザインをするとき、いつも、それを見るまたは使う人について考えます。 その人はどんな文脈の中にいるのか、媒体やツールにどれくらい慣れているか、提供する情報にどう反応するのか… この本を読んで、対象となる人を理解するために、見る・使うの前提である、認知能力について知ることの重要さを改めて感じました。
私は大人で、子どもの頃に世界をどう見ていたかは覚えていません。 同じように世界を見て認識することは難しい。だから、子どもと話をし、観察することに加え、子どもの認知能力やスキルについて学ぶことはとても重要でした。 過去に、取材で高齢者の視野を疑似体験する装置をつけたことがあります。 視野は狭く、視界も鮮明とはほど遠く、日常の活動に不安を覚えました。 高齢者を対象としたデザインをするときも、認知能力やスキルについて学ぶことはとても重要だと思います。 子どもや高齢者に限らず、皆が同じように世界を知覚し、認知しているわけではないことは当然ですが、普段はあまり意識しません。他者を理解するために、自分の感覚や想像力はもちろん重要ですが、認知の仕組みや丁寧なリサーチから得られた知見を学ぶことも大事だと思いました。

「わかる」とはどういうことか―認識の脳科学

「わかる」とはどういうことか―認識の脳科学
著者:山鳥 重

情報が溢れる現代社会。その中で、いかにわかったつもりになっているか。では、「わかる」とはどういうことか。我々無意識的に脳で処理しているプロセスを平易な言葉と事例で説明したもの。本書は「わかる」前段階の、わからないことに自覚的になれる一冊です。

不確定な未来に不安や焦燥感が募る中で、自分の判断軸を持って生きることが大事なのだと思いました。同時に、自分の思考の癖を自覚することで自分の能力を成長させる土台をつくることができるのだとも思いました。ヒトは時間軸と場所を超えて繋がることが強みでもあります。その強みを活かすためにも、個体としての能力を言葉という人類史上最大の発明を本当の意味でわかって使いこなす必要があるのではないでしょうか。原研哉著の「Ex-formation」も、合わせて読むとより理解が深まります。

ブランディングの科学 誰も知らないマーケティングの法則11

ブランディングの科学 誰も知らないマーケティングの法則11
著者:バイロン・シャープ

現代で信じられているマーケティング理論を真っ向から否定し、事実と証拠に基づいた新たなマーケティングの11の法則を紹介した衝撃的な一冊。差別化、ターゲティング、ポジショニングなど数多の企業が実践し信じられてきた理論が、揺るがない事実によってひっくり返される様を体験できるでしょう。

日頃デザイン制作に携わる中で、「ブランド」という分野はデザインと切手も切り離せないものです。マーケティングという実学は、時代とともに商売のやり方も生き物のように変化せざるを得ない。理論はもちろん大切で、理論から学ぶことももちろんあるのですが、現実で起こっている事象、そして事実をじっと見据えることで浮かび上がる発見をもっと大切にしたくなる、そんな一冊です。

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