- date
- 2025.10.07
万博の設計意図を読み解き、右腕デザイナーとして学び取り組んだこと〜Why Design Works・root課外研修編〜

こんにちは!root採用広報担当です。
私たちは「Design Doing for More〜デザインの実践を個から組織・事業へ〜」をビジョンに、組織の右腕として、共に事業価値を創り、育むデザインパートナーです。
rootのデザイン支援モデルは、クライアントワークを通じ支援する組織・事業に対して共に事業価値を創り、育むための支援体系を構築しています。
事業の立ち上がりや成長段階に関わることの多いrootだからこそ、事業の形がまだ定まっていないフェーズから、本来あるべき事業価値の創造を共に行い組織と事業の成長を目指しています。
目次
デザインは未来を描くことのできる手段。万博テーマ”いのち輝く未来社会”から探る設計の意図
rootは、デザインを目的ではなく“事業価値を最大化するための手段”と捉えています。
価値とは、決して課題解決だけではありません。今回、EXPO2025大阪・関西万博の開催に伴い、「いのち輝く未来社会のデザイン」というEXPO2025大阪・関西万博の公式テーマから、各国・各企業は、このテーマをどう解釈し、どのような未来像を描き、それをパビリオンという形でどう表現したのか?「様々な国や日本の様々な企業や人たちの価値観や文化、 アイディアや技術を知り、持続可能な未来の実現に向けて、 デザイナーとして個々人が色々な発見と思考をし、それを共有しあうことで、rootの中でその学びを循環させていく」ことを目的に、課外研修を実施しました!
今回の研修では、万博会場内の多様な施設・空間・体験の設計を観察し、事前仮説(Before)、現地観(After)、再解釈(Beyond)のプロセスで設計意図を読み解くリサーチ研修とし、さらに、経験→省察→概念化→実践の学びのサイクルを通じて、他者の視点からはどう見えるかを知り、個人の気づきを組織の知に変えていくワークも実践しました。
今日は、rootメンバーがこの万博のテーマに対する各国・各企業の解釈と設計意図を読み解き、
そこから右腕デザイナーとして必要な力やノウハウを学ぶためにどのように研修に取り組んだのか、その様子をお伝えします。
事前の”仮説立て”・”現地観察”・事後の”再解釈”のプロセスから設計を読み解くリサーチ研修
万博会場内の多様な施設・空間・体験における「誰かの意図を持ってつくられた=デザインされたもの」について、事前仮説立て(Before)、現地観察(After)、再解釈(Beyond)のプロセスで、意図とズレを観察し、見えない設計を読み解くリサーチ研修を実施しました。
研修では、ペアワークおよび個人ワークとして取り組み、観察と仮説のズレや新しい発見をまとめた後、その内容を全社でプレゼンも行いました。
事前仮説立て、現地観察、再解釈。この3つのプロセスでの探究を通して、デザイナーとしてそこから得られる新たな視点を習得することを目指しました。
◾️事前ワーク<仮説立て>
当日に向けて、メンバーは事前ワークに取り組みました。
まず、ペアで万博のテーマ「いのち輝く未来社会をデザインすること」を咀嚼、分解し、
「そのサブテーマが未来社会でどう意味を持つか?」「そのテーマの価値は何か?」を話し合いながら、言語化していきました。
その後、リサーチしたいパビリオン・施設を選定し、以下の項目について仮説を立てました。
1. この場所に決めた理由
2. どんな「表現」「行動」や「体験」を観察するか
3. 私たちペアは、何を持ち帰ってきたいか(問い・テーマ)
4. 誰が何を見るか(役割分担)
そして、設計の「意図」を仮説立てしました。「この設計は『なぜそうなっているのか?』」「この空間/体験/表現は『◯◯のために』設計されたのではないか?」と、事前に調べた情報や社会背景、出展国の思想などから推測しました。
「この仮説が正しいとすれば、現地ではどのようなことが起きているはずか?」という問いを立てることで、当日の観察の精度を高めていきました。
◾️万博会場でのワーク<現地観察>
観察DAYの朝7時半!早朝にも関わらず、気合い十分でそれぞれ朝早くから、万博会場のゲート前に続々と集まるrootメンバー!!
「どのパビリオンから行く?」「事前仮説はどの程度合っていそうかな?」といった期待と不安が入り混じった会話が交わされる中、開場と同時に、事前に立てた仮説を胸に、それぞれの観察対象へとダッシュ。
抽選枠や予約枠が多数あり、比較的争奪戦で、意外なところでチームプレーが垣間見られました。笑

事前ワークで仮説立てた「このパビリオンはこのような意図で設計されているはず」という仮説を検証すべく、メンバーたちは観察を開始。「なぜこの動線や配置なのか」「来場者にどんな体験をさせたいと考えて設計されているか」など、パビリオンの詳細までを観察の対象とし、メンバーたちは鋭い視点で分析を行いました。
実際に現地で観察してみると、事前の仮説とは異なる発見が次々と生まれていました。
暑い中ではありましたが、皆楽しみながら会場を駆け巡る姿が印象的で、普段デザイナーは、椅子に座ってPCと向き合っている時間が多い中で、行動量は重要であり貴重な時間だなと運営側も色々な発見のあった時間になりました。
ランチや休憩時間も、それぞれの考えを他メンバーとも話し、お互いの意見を交換しながら、理解を深める時間となりました。(とにかく暑かったけど・・!)

◾️事後ワーク<再解釈・プレゼンテーション・グループディスカッション>
事後ワークでは、まずは、各ペア・個人で、以下の5つの項目に沿って、実際の観察と仮説のずれや新しい発見をまとめました。
1.観察対象(パビリオン・施設・空間名)
2.事前リサーチで立てた仮説・観察ポイント
3.観察で事前の仮説とズレたこと
4.観察で設計者の意図と実態がズレていそうだったこと
5.そこからの学び(今後に自分達が活かしたいこと)
その後、全社でプレゼンテーション。上記ワークでの内容に加えて、
みんなとディスカッションしてみたいと思った点、この学びから、自分がデザインで実現したい未来社会はどのようなものか?また、そのために、今後デザイナーとしてどのような力・視点を持ちたいか、等を発表していきました。
「パビリオンのメッセージを伝えるために、どのように感じさせ、自分ごと化させているか」
「問いを内発的に引き起こすためにどうすればいいか?」
「ステークホルダーが多くいるチームにおいて、コンセプトや文脈を統一する難しさがありそう」
など、仮説や観察ポイントと合わせ、そこからの学びや発見も踏まえ、発表されました。
こうして、仮説立て〜再解釈までのワークを通して、メンバーたちは体系的な仮説検証のプロセスを実践し、設計意図を読み解く力を学んでいきました。

配慮はするけど遠慮はしない、それぞれの視点と見解からのディスカッションで設計理解を深める
今回はプレゼン後のグループワークで、それぞれのプレゼンから自分はどう考えたか、どのような視点をもったかディスカッションをする設計も組み込みました。

ただ観察視点をシェアするのではなく、ある人が得た設計への解釈を、自分はどう捉えたかを話しあう場。
rootのバリュー、文化には、「配慮はするけど、遠慮はしない」というものがあります。それは、相手を尊重しながらも、率直に意見を交わすことで、学びを最大化するための姿勢でもあります。
ディスカッションでは、以下の3つの約束を設定しました。
1.「どこが違うか」に注目して聞こう
2.「なぜそう思ったの?」と問い返そう
3.「正解を出す」のではないことを意識しよう
「何でも正解」なのではなく、「考えをぶつけ合う」ことで、より設計の意図の理解を深めました。
互いの視点を重ね、より掘り下げてものごとを見たり、考えることで設計意図を読み解くことができます。この姿勢が、プロアクティブに共創をしていくrootのデザイナーには必要なのです。
「私はこう捉えたけど、あなたはなぜそう思ったの?」という問いかけから、それぞれの背景にある価値観や経験が見え、同じパビリオンを観察しても、着眼点や捉え方が全く異なることに驚き、お互いの「違い」に注目し、デザイナーとしての視点を増やす時間となりました。
省察と概念化もセットにした学びのサイクルで、root組織やチーム全体の“知”に変える
今回は、それぞれのプレゼン後、上記の通り、皆でディスカッションしてさらなる視点を得ること。それとあわせ、個々人でも省察→概念化すること。この2点で学びを最大化することを設計しました。
振り返りでは、以下の問いについて深く考察しました。
– 「なるほど」と思った視点はどこだった?
– 他の「観察ポイント」や「ズレの発見」にどんな違いがあった?
– 「次のリサーチで試したい」と思った視点や問いは?
– 「これは仕事やプロジェクトにも活かせる」と思った発見は?
– 設計者の意図と実態のズレから、自分が今後設計するときに気をつけたいことは?
経験→省察→概念化→実践といった、いわゆる学びのサイクルを通して、「自分はどう考えたか」「どんなパターンが自分にあったか」を言語化し、個人の経験をチームの知に変換していく。この振り返りの設計そのものがrootの「学びを自分だけのものにしない」というポリシーを体現しています。
まとめ:世界が描く”いのち輝く未来” の設計意図から、右腕デザイナーとして学び、必要な力を体得するために取り組んだこと
◾️この研修で右腕デザイナーとして学び、必要な力を体得するために取り組んだこと
研修を終えたメンバーからは、今回の研修で実践した「事前仮説(Before)→現地観察(After)→再解釈(Beyond)」という体系的なプロセスを実践し、個人の学びをチーム全体で共有する設計により、多様な視点を獲得できたという声が多く寄せられました。
🗣️「仮説を立ててから観察することで、ただ見るだけでは気づかない細部まで意識できた。感覚的だった仮説検証がより精度の高いものになった」
🗣️「みんなのプレゼンを観れるので、自分の学んだことのほかに他者の視点をしっかりインプットできた。組織として体験に対しての学びを得てグループでディスカッションを行えるこの設計がとてもよかった」
🗣️「事前ワークと事後ワークが充実していたことで、品質の高いインプットができた。ペアワークがあったことで、当日得られる収穫が多かった」
・「事前仮説(Before)→現地観察(After)→再解釈(Beyond)」のプロセスから、体系立てて仮説検証を行うことと設計意図を読み解く力
・色々な見解をプレゼンで聴いたり、同じものを見ても着眼点が異なる他者と「なぜそう思ったのか?」をディスカッションすることで、自分には見えていなかった視点を獲得し、より学びを深めること
・個人の経験を、学びのサイクルや他者とのディスカッションを通して、組織のナレッジに変換し、蓄積すること
これらのプロセスを実践しながら学び、また、ここからの日々のクライアントワーク、組織活動の中で、実践し活かしていくことが必要だと学ぶことができました。
また、研修後にアンケートを実施し、コンテンツ全体の満足度や、パビリオンの訪問数などを回収しました。その結果、研修全体の満足度は全員が「とても満足」または「満足」と回答。
他には、平均訪問数が8.2箇所と、当初目標の4箇所に対して200%超え!猛暑の中でもrootメンバーらしい、「もっと見たい」「もっと知りたい」という探究心が数字に表れる結果となりました。

◾️クライアントの事業成長を実現できる組織の右腕デザイナーとして成長し続けるために
研修は終わりましたが、世の中には、「デザインされたもの」で溢れています。日々の中で、好奇心をもってプロアクティブに行動し、「設計者の意図」や、その結果「どのような体験やファクトが生まれているのか?」を見つけ、考える時間をつくっていきたいと改めて学んだ研修となりました。
顧客の体験設計を通じて価値を生み出すことが、rootの右腕デザイナーチームの使命。
そして、その積み重ねが、ビジョンである、Design Doing for Moreの実現そのものである中、クライアントの事業成長を実現できる組織の右腕デザイナーとして成長し続けるために、この研修で得られた「体系的な仮説検証プロセス」、「個人の学びを組織知に変える仕組み」を日々の実践で活かしていきたいと思います。
rootは、組織づくりは、サービスづくりそのものであると考え、サービスディベロップメント活動として、全社でデザイン組織づくりに励んでいます!
こんなrootにご興味がある方は、ぜひ、カジュアルに色々なお話しができると嬉しいです。
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📣10月11日・12日のDesignship2025に登壇します
また、そんなrootは、今年も来る”Designship2025”に、スポンサーとして参加いたします。
今年は、登壇を2つ予定しております!
今年のテーマは、『さぁ、今こそ共に ” 事業価値をつくるためのデザイン目標 ” を立てよう。』です。
” デザイン目標 ” は数値化しづらいため、目標設定が難しい。目標にできないことで、成果ではなくアウトプットだけで評価されてしまう。その連鎖が、デザインの責任範囲を狭めてきました。
目標とはゴールの実現に向けて定める“あるべき状態を示す指標”であり、ユーザーを幸せにするためには、事業目標から ” デザイン目標 ” を立て、成果を生み出していくことが重要であると考えています。
ぜひ、会場にお越しいただき、CEO西村と、プロダクトデザイナー納谷の登壇を通して、「事業価値を作るためのデザイン目標とは何か?」「今、私たちに求められているデザインリーダーシップとは何か?」を、一緒に考えてみませんか?
ご来場いただいた方限定に、特別オファーとなるクローズドのイベントもご用意しています。会場でお会いできることを楽しみにしています!
<登壇情報>
DAY1:10/11(土)15:20〜15:40
会場:オープンステージ
テーマ:チームで事業価値を生み出す、プロアクティブなデザイナーになるための道のり
登壇者:プロダクトデザイナー 納谷早瑛
DAY2:10/12(日)15:00〜15:20
会場:メインステージ
テーマ:組織の右腕として共創する – デザインと経営の二つの視点から見えた、新しい支援のかたち
登壇者:CEO 西村和則

<イベント情報>
イベント名:Designship 2025
日程:10月11日(土)・12日(日)
場所:東京ミッドタウン ホール&カンファレンス(東京都港区赤坂9-7-1)
イベント詳細ページ
チケット購入ページ
rootでは共にビジョン実現できる仲間を探しています!
私たちは、「Design Doing for More〜デザインの実践を個から組織・事業へ〜」をビジョンに、様々なフェーズのクライアントの事業と組織の成長を共に実現するデザインパートナーです。
クライアント支援の立場から、個社での実践経験から得られたノウハウや課題を、組織的にナレッジとして束ね、支援する各社へ還元し、デザインの活動領域を個人から組織・事業へ広げ定着を促すことで、持続的な事業の成長にデザインが活かされる組織を増やしていきたいと思われる方!
共に、Design Doing for More〜デザインの実践を個から組織・事業へ〜を実現していきましょう!
ぜひ、ご興味ある方、一度カジュアルにお話ししませんか?ご連絡お待ちしています!
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