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事業と組織のフェーズに合わせたデザイン環境整備 〜スタートアップ企業編〜

こんにちは!root デザインプログラムマネージャーの岸(@RyoheiKishi)です。

rootは「Design Doing for More〜デザインの実践を個から組織・事業へ〜」をVisionに、事業の成長によりそい、デザインを実践しようとする人々を支え、世界をより良く前進させていくことを目指すデザイン会社です。

今回は、新規事業やスタートアップ企業への支援事例として、Bizibl社に伴走するrootが、どのように支援してきたかを紹介します。
また、今月後半にはエンタープライズ企業における事例も公開予定です!

Biziblでは、DPM(デザインプログラムマネージャー)としていくつかのフェーズごとに、デザイン環境整備を進めてきました。
事業のフェーズに合わせてどのようなことが起き、どのようなポイントに着目すると良いのか、また課題の解消に向けてどのようなことを進めていけば良いのかの参考になれば幸いです。

立ち上げ段階のプロダクトでの、デザイン環境の整備

Biziblは、2020年6月にリリースされたウェビナーマーケティングツールです。
当時のBiziblの組織構成はファウンダー、営業、開発数名とミニマムなものであり、rootはリリース前後からBizibl初のデザイン担当チームとしてプロダクトデザインの支援をはじめました。この体制を引き継ぐ形で、2021年10月よりDPMとして岸がチームに参加しました。

Bizibl(ビジブル)|ウェビナーマーケティングツール

私が参画した段階では、すでに主要な機能は作られてはいたものの、まだまだ出来ることが少ない状況。とにかく早く進めることが重要だったため、週ごとにやることを決めて開発を進めていました。

その後、徐々にプロダクトの方向性を絞ることができ始め、作りたい機能の深さ=複雑さも高まってきました。
ただ、それと同時に、デザインがうまく進められていない、と感じることが増えてきました。

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プロダクトとして方向性が絞られてきたことで、開発の負債が足を引っ張ったり、 複雑な要件ゆえのコミュニケーションの難しさが課題になり始めていた

これらのボトルネックを解消し、Biziblの事業を成長させるべく、フェーズごとに必要となるテーマを設定し、取り組むことにしました。

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それでは、それぞれのフェーズごとにどのようなことをしてきたのか、詳しくお話ししていきます!

なんでもやる期:負債の解消と、コミュニケーションの改善

負債解消のためのヒューリスティック調査

今後も要求が複雑化していくことは見えており、これまでの負債は早めに解消しておくべきだと考え、ヒューリスティック評価で課題を洗い出し、影響の大きい課題から取り除いていきました。

この時は並行して機能開発も進められている状況だったので、自分でも手を動かしていました。
どんな役割があったとしても、とりわけこの事業フェーズにおいては「必要なことはなんでもやる」意識で、問題になっていることを一つずつ解決していくことが大切だと考えています。

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ヒューリスティック調査

コミュニケーションの課題の確認

プロダクトだけではなく、チームでのデザイン時のコミュニケーション課題についても整理を進めました。まずは問題意識を揃えるために、チームで何が問題になっているかを確認する振り返りを行いました。
ファウンダー・開発者・デザインチームが集まって課題感を共有しあい、何がボトルネックになっているのかを整理することで、どんな課題が根本にあるのか、どうやって解決に向かっていくのか、というメタな認識のすり合わせができました。以降、こうした振り返りは定期的に行っています。

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コミュニケーションや、デザインプロセスにおける問題意識を揃えるための振り返りワークを開催

生産性向上期:増えていく要望に答えられる体制に

それからしばらくして、さらにプロダクトが成長してきたことで、顧客からのフィードバックも多くなり、開発優先度の決定や、役割分担、依頼フローの整備など、生産性が課題となってきました。

デザインプロセスの中での役割を整理 

そこで、全体としてデザインがどう行われるかを整理するために、開発プロセス全体でどのように役割分担をするべきか、デザイナーはどこに注力するべきか、を図解して認識をすり合わせました。
デザイナーは、顧客と直接接することができないため、自分が作っているものの正しさに不安を抱く、ということがあります。
Biziblでは営業チームの顧客の解像度が非常に高く、そこに合わせて動きを集中させた方が結果的に良い成果につながると判断し、デザインチームが気にすべき箇所とそうではない箇所を恣意的に整理しました。
root側で整理をした上で、Biziblのメンバーにも見せたところ、「そうだよね」とすぐ合意することができ、全員のフォーカスする先がはっきりと揃いました。

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デザインプロセスの中での役割認識をすり合わせるために、図解して整理 営業やBizDevが探索やアイディエーションは担っていたため、それ以降のプロトタイピングやUI設計にデザイナーは注力することに

そうしてデザイナーの役割についてはっきりと認識が揃ってきたので、アジェンダレベルでの位置づけ確認も行いました。チームで認識をすり合わせながら、不要なコミュニケーションは削いでいき、生産性を高めていけるようにしていきます。

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役割に合わせて、アジェンダレベルで不要なコミュニケーションはないか確認。場の位置づけも見直しながら、生産性を高める準備を整える。

要望回収フローや、チケット管理のしくみづくり

さらにデザイナーは探索や初期アイディエーションのプロセスには関わらないと決めた上で、営業チームから挙がってくる顧客のフィードバックを1つのデザイナーとの接点と捉えて、その形がより伝わりやすいものになるよう、営業チームに構造化したフィードバック記述を依頼しました。

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プロダクトフィードバックを書き込むフォームを「対象・状況・目的」まで書き込むよう改善

計画期:より長いスパンの計画を担えるように

目先の開発について安定して進められるようになり、プロダクトがさらに成長してきたとき、これまでプロダクトオーナーとして関わっていたファウンダーの活動範囲が大きく経営的な活動にシフトして行きました。何もしなければ、このままファウンダーと現場メンバーとの距離が離れていってしまうため、ファウンダーが権限を移譲し、またメンバーが主体的に事業を捉えるためのきっかけが必要になるタイミングです。
そこで、チームがより主体的に「何をつくるのか」の計画について話せる環境を整えようとしました。

プロダクトオーナーの考えを “共感マップ” に

ファウンダーと現場の距離は、いつの間にか離れているものです。現場で一緒に仕事をしていた時とは違い、ちゃんと時間をとって意思疎通をしなくては、お互いが何をみて、何を解釈し、どこにあゆみを進めていきたいと考えているのかは見えません。
そこでプロダクトをどうしていきたいのかを解像度高く認識するために、ファウンダーの花谷さんにヒアリングして共感マップを作成しました。
このワークには開発者も参加しました。同時にこのワーク全体を録画し、Biziblの営業・CSメンバーに向けても共有されました。

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これまでプロダクトオーナーをしていた花谷さんの考えていることをヒアリングし、共感マップにまとめる

事業ロードマップを再解釈

また、すでに作成されていたロードマップを解釈するワークショップを開き、チームからわからないことや、定義が曖昧に感じるところをファウンダーに質問しながら、同時に図を書くなどを通して目線を合わせていきました。

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ロードマップの分からない点や、定義が曖昧に感じる点を改めて確認しながら、再解釈して図解する

結果として起こったこと

今回のプロセス改善を受けて、rootのデザイナーからもよりデザインしやすくなったという感想をもらっています。

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rootのデザイナーより、今回のプロセス改善を経て感想

今は加入した当初よりも、コミュニケーションの質も頻度も高まり、何を作るかだけではなく、どうあるべきかに対してチームが期待と責任を持ちながら協業できています

事業と組織の両輪を支える

さて、ざっくりとした形にはなりますがrootでのデザインプログラムマネージャーとしての関わり方をまとめてみました。
rootでは、事業支援のためにサービス開発にデザイナーとして入り込むことはもちろん、デザインプロセスの整備など、組織の成長につながるよう、事業と組織の両輪を支援しています。

目の前のものを作ることは何よりも大切な仕事ですが、それと同時により良いデザイン環境を整備していくことで、総合的にプロダクトの成長を早めていくことができます。そして、そのような組織のスキルやワークフローを束ねていくのが、デザインプログラムマネージャー(DPM)という役割なのではないかと考えています。

今回はスタートアップ企業編として、サービスを育て、組織をこれから立ち上げていこうというフェーズの中での取り組みをご紹介しました。次回はエンタープライズ企業編として、複数の事業が並走する中で起きる課題、解決に向けた取り組み、さらにルートとしてこの経験をどうナレッジとして解釈したかについてお話ししたいと思います。

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