- date
- 2021.09.06
事業成長のためにデザインするrootで8月に注目したサービスやプロダクトをピックアップ
9月に入り急に肌寒い日々が続いていますが、みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
今月も、rootのデザイナーたちが気になったサービスをピックアップしました。事業成長に伴走するデザイナーが日頃、どのような視点でサービスに触れているのかをご紹介します。
目次
オンラインとオフラインがつながる「ユニクロアプリ」
https://www.uniqlo.com/jp/ja/contents/feature/app/
ユニクロアプリは、お買い物をより便利にするオンラインショップアプリです。オンラインストア限定サイズを購入、UNIQLO PAYでスピーディーにお会計などのメリットがあります。 アプリのデザインは幅広い層に利用してもらえるよう、かつ、ユニクロらしさを感じさせるようブランドカラーの赤を基調として、シンプルなデザインになっています。
ユニクロは、いつでもどこでも購入できる体験設計になっています。その設計の特徴として、オンラインと店舗の棲み分けがなく、消費者の好きなタイミングで利用しやすい購入方法を選択できます。 例えば、お店で実際に試着し、気に入ればオンラインで購入して自宅で受け取るといった方法も選択できます。 ユニクロはオンライン・オフライン共に多くの顧客を獲得しているため、既存の顧客にとって「いかに買いやすいか」にフォーカスしていると考えられます。
「いかに買いやすいか」にフォーカスする理由としては、店舗とオンラインの購入を統合した体験として設計することで、購入機会の損失を最小化するためだと考えられます。 具体的には、店頭で欲しい服のサイズがなかった時に、アプリで商品のバーコードをスキャンすることで、欲しいサイズの在庫をチェックしてオンラインで購入できます。 さらに、普段ECで買い物している人でも店舗に行きたくなる工夫があります。凱旋店(銀座のユニクロ)ではコラボ商品などのブランディングやイメージ作りのために店内がデザインされており、店舗に行ってみようという人も多いのではないでしょうか。
国内最大級のコスメクチコミアプリ「LIPS」
「LIPS(リップス)」は国内最大級のコスメクチコミアプリで、10代~20代の女性を中心に700万以上のダウンロード数を誇り、美容系プラットフォームとして成長を続けています。 ユーザーが新しい化粧品を探したい時に、友達が投稿したクチコミを確認できます。また、クチコミと一緒に写真や動画が投稿することができるので、ユーザーがビジュアルを確認して化粧品を購入することができます。
一部のユーザーには、クチコミを投稿することで収益化できるプログラムを用意。そうすることで、美容系インフルエンサーを目指す層が投稿に力を入れ、クチコミの質が高まっています。 また、クチコミ投稿がしやすいUIも作り込まれており、投稿のコツを解説するページや投稿テンプレートが用意されています。 他にも、ターゲット層であると考えられる10〜20代に人気なインフルエンサーを、公式インフルエンサーにすることでユーザーを増やそうとしています。
LIPSは、アプリでコスメのプレゼントキャンペーンを行っており、アンケートに回答することで応募することができます。 企業はLIPSに依頼料を支払うことでキャンペーンを実施。キャンペーンのアンケート結果を分析して商品開発、改善に活用することができます。 また、キャンペーンでコスメを得たユーザーがLIPSでクチコミを投稿してくれる可能性があります。
以上のように、LIPSではインフルエンサーを活用してクチコミの質やユーザー数を伸ばし、プレゼントキャンペーンでクチコミ数の増加とマネタイズを実施。より大きな美容系プラットフォームとして成長を続けていくと考えられます。
ネタ探しから動画投稿まで「TikTok」
「TikTok(ティックトック)」は、ByteDance社が開発運営しているショートビデオプラットフォーム。 アプリでは、世界中の動画を無料で楽しめ、おもしろ動画、ダンス、グルメなど豊富なジャンルを楽しめます。 初心者でも簡単に動画編集が可能で、倍速やスロー、スタンプ、美肌、アニメ化などの機能も満載です。
TikTokは、動画のネタ探しから動画撮影、編集までがアプリ内で完結でき、初めて利用する人でも動画投稿しやすい画面構成になっています。また、他ユーザーが使っている音楽やエフェクトも使うことができ、「どの音楽にしようかな?」という悩む時間を短縮し、利用するハードルを下げています。このことから、初めてTikTokを使用するユーザーでも簡単で素早く動画投稿ができる設計になっています。
ユーザーに動画投稿してもらうためには、まずユーザーが興味を持ちそうな動画をタイムラインに載せることが重要です。TikTokでは、視聴の長さやコメント数、ユーザーの視聴履歴などによって、ユーザーに見せる動画を選定するアルゴリズムが組めれていると考えらます。このことにより、ユーザーが興味ある動画だけがタイムラインに流れ「自分も動画投稿してみようかな」という行動が起きる要因になっているのではないでしょうか。
レシートをマーケティングに活用「ONE」
「ONE(ワン)」は、毎日のお買い物が楽しく・お得になるアプリです。 スーパーやコンビニで購入したレシートを撮影するだけで通常1〜10円、指定された商品レシートだとより高いキャッシュバックがあります。 また、画像の撮影やアンケートなど、「ONE」から届くミッションをクリアするとお金がもらえる、ゲームのようなコンテンツも充実。貯まったお金は現金化や「ONE TICKET」でお好きな物や体験に変えられます。
ONEでは、購買データ収集において着目されていなかった「紙のレシート」を、有料で買い取ることでユーザーが主体的に情報提供してくれる構造を作りました。レシート以外にも、「冷蔵庫の中身を撮影」などのミッションや購入した商品のアンケートを行ってもらうことで、ユーザーの詳細な購買データが得られます。
購買データは、年齢や性別といった基本情報のみならず、自社・競合製品の購入履歴、利用した店舗などの情報も調べることが可能です。 ONEはこの購買データを、企業に提供することでマネタイズを行っており、企業側は購買データを基に、新商品の開発に活用できます。 また、購買データを基に、ONEアプリ上で自社商品のターゲットに広告を表示することも可能で、掲載した広告のCTRは平均で30%という高い数字をだしています。
以上、8月にrootのデザイナーたちの間で話題になったサービスやプロダクトでした。これからも社内で話題になったサービスやプロダクトをピックアップして紹介していきます。
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