- date
- 2021.11.09
事業成長のためにデザインする。rootが注目したサービスやプロダクトをピックアップ-Airbnb-
体調を崩しやすい時期に入りましたはが、みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
今月も、rootのデザイナーたちが気になったサービスを考察しました。今回は「Airbnb」についてです。事業成長に伴走するデザイナーが日頃、どのような視点でサービスに触れているのかをご紹介します。
目次
サービス概要
Airbnbは、部屋や家を貸したいと求める人(ホスト)と、部屋や家を借りて滞在したいという人(ゲスト)のマッチングサービスです。
Airbnbの提供価値は、「新しい旅のあり方、暮らし方」。 ゲストへは現地での暮らしなどの新たな旅行体験や豊富なリスティングを。ホストへはゲストとの文化交流の機会や共同生活による人との輪を提供しています。
多くのホテルや旅行代理店がコロナ感染拡大で大きなダメージを受けたのと同様に、Airbnbも売上が減少。2020年第2四半期の売上は、前年同時期と比べ72%減少しました。しかし、変化するニーズに素早く対応することで急速な回復を見せ、最新の2021年第2四半期の発表ではコロナ以前の売上を上回っています。
事業成長に貢献しているポイントはどこか?
1. ニーズやトレンドに合わせたアップデート
コロナの影響でリモートワークなどの普及し、働き方が多様化したことで旅行業界のトレンドが移行しています。
Airbnbはアフターコロナで見られる3つの基本トレンドを挙げています。
- いつでも旅行できるようになった
- 旅行先が多様になっている
- 滞在期間(28日間以上の宿泊ケース)が延びた
これらの変化やトレンドに合わせて、予約サイト・アプリで100項目以上の機能を追加・アップデートしました。
2. 体験サービスの強化
宿泊ではない体験サービスにも力を入れており、「ユニークな体験」項目を予約サイト・アプリに導入してます。体験の種類は3つあります。
- 近場で普段できないAirbnb体験
- ホストが案内するライブ配信に参加できるオンライン体験
- オリンピアン・パラリンピアンによるオンライン体験
その結果、宿泊サービスよりもユーザー評価★5がつく割合が高く、顧客満足度が高くなっています。
3. 手厚いサポート
コロナで苦しい状況の中でもホストファーストな対応をしています。 キャンセル数が増加する中、平常はない返金対応をAirbnbが代理。キャンセルの影響を受けたホストへ支援金の支払いも行っています。
また、従業員へのサポートも手厚いです。コロナの影響で多くの解雇を余儀なくされましたが、解雇を受けた従業員に対して追加給込みの退職手当、株の配布、ヘルスケア、ジョブサポートなどを実施しました。
なぜ事業成長に貢献できているのか?
1. アフターコロナの旅行需要に柔軟に対応
アップデート後の新しい閲覧、予約体験は柔軟性を重視しており、柔軟な宿泊先検索・マッチング・日付設定という3つの検索手段を導入してます。
強化した利用セグメントとして、近場の利用、人里離れたエリア、長期滞在、特徴的な物件、職場に囚われない自由度のある人などが考えられ、これまで海外需要が50%だったものを国内需要にシフトしました。
アフターコロナでは、出張という概念が旅行に変わると予想されています。ロングステイを中心とした本当の意味での「旅するように暮らす」世界観が実現できることでしょう。
2. 他旅行サービスとの差別化
体験を重視したサービス設計によって、宿泊だけでなくオンライン体験も満足度高く、利用者が増加につながっています。 新規事業などコア事業以外はクローズ・縮小し、Airbnb本来のマッチング事業に集中投資。Airbnbが掲げる「ゲストとホストとのマッチング」に立ち返っています。モノやお金ではなく、体験や人とのつながりに価値を見出し、磨き込んでいる状況だと思われます。
3. ステークホルダーの信頼を獲得し、強いコミュニティを形成
ゲスト、ホストはもちろん、社員に対しても手厚いサポートを行い、三方良しの体制を作ることで、Airbnbのステークホルダーたちから信頼を獲得しています。
また、実際に行っているサポート内容や取り組みを公開することで、サービスに対してネガティブなイメージをもたれないような工夫をしてます。
以上、rootのデザイナーたちがAirbnbのサービスを考察してみました。これからも社内で話題になったサービスを考察して紹介していきます。
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