- date
- 2016.11.25
組織内の孤立化(サイロ化)がチーム間のコラボレーションを妨げる理由
「サイロ化」という言葉は、はじめて聞くと少しこわい印象を受けるかもしれません。農場で起こるホラーSF映画に出てくるような。でも、実際なにを意味しているのかご存知でしょうか?
サイロ化というのは、ある組織内の各部署やチームがお互いにきちんとコミュニケーションをとらず、その結果、生産性が落ちてしまうことを指します。よくある例が、二つの部署が実質的には同じ取り組みをしてるにもかかわらず、お互いのやっていることに気づいていないというものです。
社員はかつてないほどテクノロジーの面ではお互いにつながっているにも関わらず、サイロ化はあらゆる職場で問題として残っています。信じられないですか? では、こんな統計結果を見てみてください。
- 調査対象のグループの39パーセントの社員が、組織内で社員同士のコラボレーションが十分に行われていないと感じている。
- 調査対象の役員と社員の86パーセントが、不十分なコラボレーションとコミュニケーションの原因はチームの問題と機能不全が原因であると考えている。
- 回答者の50パーセント以下の人が、自分たちの組織について考え、問題について正直に社員と議論をした。
地理的な距離、物理的なスペース、管理方法の違い、セキュリティの問題などといったことがすべて、職場のサイロ化を招く原因になりえます。結局のところ、各チームはそれぞれ専門とする領域がありますし、それは良いことでもあります。多芸は無芸というでしょう?
ですが、セグメント化が進みすぎると生産性、利益性、職場内の結束力に害を与えます。サイロ化は会社にとって問題となりますが、みんなで一緒になってサイロ化を阻止しようと取り組むことが答えでもありません。
では、必要とされる職務の分立を維持しつつ、チーム間のコラボレーションを強化するにはどうすればいいのでしょうか。
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各領域の個々の社員が日常的に一緒に仕事をすることは難しいかもしれませんが、各チームのマネージャーが一緒に仕事をすることは重要です。
毎日、少なくとも週に一度のミーティングをすることで、各部署が取組んでいることを全員が把握することができるようになります。こうしたミーティングでは、より大きな会社のゴールについて議論をすると、各マネージャーはもっとも良い形で他の部署と自分の仕事を共有する方法を見出すことができるでしょう。それによって、社員にはユニークなコラボレーションの機会が与えられます。
サイロ化が起こる原因の一つに、各部署のリーダーの優先順位が異なるというものがあります。これも、オープンで正直なミーティングによって軽減することができます。会社全体で起きていることを真に理解しているのが一人か二人の役員だけという状況とはまるで異なります。
集まろう、さあすぐに
様々なスキルセットをもった社員同士の有意義でクリエイティブなコラボレーションもまた、長期的なコミュニケーションを実現するための良い方法です。重要な大きなプロジェクトに一緒になって取り組めるチャンスを社員に与えましょう。
HR.comによると、様々なスキルセットを理解し、それに適用することは経営において「フリーサイズ」のアプローチを避けることにつながります。各社員の強みを理解することで、二人以上の人が一緒に取り組める領域を見つけ、それぞれの欠点を軽減することができます。
これは、すばらしい仕事を可能にするだけでなく、関わっている人全員で特別なものを一緒に作り上げているという感覚を生み出すことにもつながります。こうした経験の共有は本当の結束力をつくります。
デジタルマーケティング・SEOエージェンシーのMainstreethostが自社のウェブサイトをアップグレードした際には、この方法を用いてすばらしい成功を収めました。インバウンド部署のコンテンツストレタジストリードのJessica Marrancoさんは次のようにコメントしています。
「全員が一緒になって会社のウェブサイトのデザインを更新したことは、関係者全員に大きなインパクトを与えました。ほとんどの社員が、これほどの規模のプロジェクトに取り組んだ経験がなかっただけでなく、いくつもの部署からメンバーを集めて、プロジェクトに取り組んだ経験がなかったのです。Trelloのボードを通じて頻繁にコミュニケーションをとり、そして実際に集まって話したことで、共有していたビジョンを実現することができました。率直に言って、チームの全メンバーが、プロジェクトをスタートする前よりも多くの知識を得て終えられたと思います」。
クラウドで会いましょう
今は2016年です。何百ものワードファイルを永遠に続くメールのやり取りで送り合う時代は終わりました。多くの会社がチャットプラットフォームを活用して、仕事中にメンバー同士がつながれるようにしています。
社員の居場所に関わらず、社員同士のコミュニケーションを仲介することに特化したツールはたくさんあります。また、別々のグループ同士のコミュニケーションチャンネルを新たにつくる際には、手軽さと効率性が特に重要になります。
Googld ドライブはこうした目的を達成する上で使えるツールであることは明らかです。たとえば、複数のユーザーが一つのドキュメントをリアルタイムで同時に編集できる機能があります。
Google ドキュメントは非常に幅広い用途で使われていますので、Trelloなど他のプラットフォームが簡単に添付や共有ができるようにカスタム拡張機能をつけています。
キャプション:TrelloのGoogleドライブパワーアップを使えば、ドキュメントのプレビューやメタデータ、最近のアップデートと作成日を見ることができます。
ワードの文書を何度も添付して編集を繰り返すのではなく、Trelloを使うと一つのGoogleドキュメントに直接アクセスすることができます。リアルタイムの編集機能があるので、必要なドキュメントは一つだけです。
さらに多くのコラボレーション機能を求めている場合には、SlackもGoogleドキュメント、Torelloの通知、各種ファイルの添付などを一つの場所で行うことができます
この三つのツールは、まとめて「共有の三種の神器」、生産性向上セット、コミュニケーションセット、ともはや呼べるのではないでしょうか…。
部署の境界線があいまいな会社
部署やチームごとの差別化は良いことです。ですが、時にはスキルやタスクを混ぜることも利益をもたらします。
テクノロジー全体が、会社の特定の役割に対する考え方を大きく変えました。つまり、多くのプロフェッショナルがコンフォートゾーンを出て挑戦しなければならなくなったのです。役割はトレンドに応じて変化するのですから。
良い例が従来のカスタマーサービスの部署です。以前は、カスタマーサービスの担当者は顧客と電話上でコミュニケーションをとっていました。その後、それはオンラインのレビューに変わりました。最近では、ソーシャルメディアスペシャリストとカスタマーサービス担当の役割はかなりあいまいになりつつあります。
米国のオンラインコンシューマの67パーセントが、カスタマーサービスを得る目的でソーシャルメディア(TwitterとFacebookがもっとも多い)を使います。
間違いなく、この傾向によってソーシャルメディアの専門家は顧客対応スキルを身につけなければならなくなりましたし、逆もまた然りです。二つの異なる部署が共通のゴール、ベストプラクティス、一貫性のあるメッセージをつくる必要性もまた、これによって生じました。
電話上ではあることを伝え、一方で別の部署ではまったく逆の情報をツイートするというようなことがあってはなりません。こうした状況でこそ、チームを超えたコラボレーションが必然になります。
その他、体系的にチームを組み始めた例としては、営業とマーケティング(smarketing)、プロダクトデザインとウェブ開発、クライアントコンサルとSEOなど数多く挙げられます。どのケースも、関係者全員と状況を共有するためにコラボレーションが求められます。
企業のリーダーによっては、上に挙げたような提案を十分に実行する価値もお金もないと考えるかもしれませんが、セグメント化とサイロ化した組織が引き起こすネガティブなコストは計算不可能です。
なによりも、クライアント、お客様、ビジネスパートナーのために楽しくシームレスな経験を提供することは、社員同士をよりつなげる上で十分なモチベーションになるのではないでしょうか。
翻訳元:http://blog.trello.com/tips-to-improve-cross-team-collaboration
翻訳:佐藤ゆき
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