西村 和則
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クライアントワークというバイアスを超えて当事者になる2つの視点

この記事は root Design Advent Calendar 2023 の21日目の記事になります。
こんにちは、root代表の西村です。
はやいもので、今年も残り10日になってきました!
今年1年の取り組みも振り返りたいのですが、もう一本今年最後の記事が控えているのでそちらで執筆予定です。

今日は、「クライアントワークというバイアスを超えて当事者になる2つの視点」というタイトルで、rootの支援スタンスについて触れてみたいと思います。

事業成長の不確実性を突破する組織学習へのアプローチ

僕たちrootは、事業と組織の成長を共に実現するデザインパートナーです。
最大の特徴は事業の立ち上がりから成長過程の変遷を抑えた支援体系と組織の拡大に応じたデザイン活用を促すアプローチを軸に事業と組織の成長に貢献する取り組みを行っています。
rootが支援するクライアントの中には、創業まもないスタートアップもあれば、大きな組織の中でデザイン組織を組成し導入推進をしていくプロジェクトもあったりするのですが、どの支援先でも事業の成長に寄与するためのポイントが、チームや組織内で組織学習が機能しているかというのがあります。
この組織学習が作用することが、不確実な事業環境や新しい変化へ適応を迫られる組織において事業を成長をするための1つの武器になります。
rootでは、この組織学習をクライアント組織内で機能させるためのアプローチとして、僕たち自身が現場で共に実践し協働する仲間になることで、学習サイクルを構築し運用を促すアプローチを行っています。

今日は外部支援の立場から、組織学習を促すために当事者としてクライアント組織に関わる難しさ、クライアントワークというバイアスをどのように崩しているかについて触れていきたいと思います。

クライントワークというバイアスとの戦い

外部支援という立場で入っていく以上、様々なハードルがあるのは事実です。その中でもクライアントワークという概念が持つバイアス。つまり受発注の構造であること、外注という潜在的な認知によって、プロジェクト内での取り組みに様々な制約がかかってくる問題があります。
この課題について、2つの視点からバイアスを外すためのアプローチについて触れていきます。

前提のバイアスを壊すのは自分たち、自ら自己開示し相手を知ることが最初の一歩

まず仕事を依頼いただいた時点で発注と受注という関係性が必ず生じます。
この契約上の関係は想像しているよりも弊害をもたらすものです。特にプロジェクトを推進していく中では、中の人、外の人という前提条件がスタート時点で設定されており、この前提条件によってクライアント組織内にある情報に制約がかかったり、共に協働するチームの関係性が自然と決まってしまうということが、しばしば発生します。
そこでrootでは、プロジェクトのオンボーディングやチームビルディングに注力しており、この前提バイアスをスタート時点でぶち壊し、限りなく同じ視点、立場で共に協働する仲間としてプロジェクトを推進していきます。

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rootで今年策定されたDesign Partnership Policyで取り扱っている、支援にあたって重視している行動規範の1例。
クライアントからこういった関係構築や自己開示を受けるのを待つのではなく、自分たちからそれを促し距離を近づけることで、チームとして一体感を持ち同じ目標に向けて取り組むことができるようになります。

こういった姿勢でプロジェクト初期からアプローチを取る恩恵は、たくさんあり下記のような効果が得られます。

  • クライアントが考えている悩みや課題に早期に気づくことができ、何をやるかからではなく、何を解決するかを共に考えることができる
  • root側のメンバーが抱える課題や気になりをフラットに意見でき、相互の視点を交えた協議ができる
  • 同じ事業成果に対して目標を重ねることで、関係性や立場を意識せずに成果に向けたアクションを取りやすくなる

他にもたくさんメリットはありますが、まるでインハウスデザイナーとして働いているかのような環境やチームビルディングが出来上がるのが特徴です。

いくつかの事例があるのでそちらもご覧ください。

PMFに向け、密なコミュニケーションで課題を共有。「Bizibl」のプロダクト開発を伴走支援

作ることが目的になっていたチームに、ビジョン策定を通してプロダクトの方向性を示す。「SHIKIN+」新規事業の立ち上げを支援

プロジェクトの導入で実際にやっていることの具体ティップスはこちらの記事でも紹介されているのご興味ある方は見てみてください。

チーム加入後、良いスタートダッシュを切るために意識したい2つのこと

目指すべき目標によって契約条件(ルール)を選ぶ

rootの中にも継続的な支援を行うプロジェクトと、納期や成果物を定めて支援を行うプロジェクトが存在します。
これはどちらが良い悪いというお話ではなく、プロジェクトを通じて出したい成果が何なのかによって、契約条件がそのルールになってくるという捉え方をしています。
実態としてrootでは現状全体の90%が継続支援のプロジェクトであり、1プロジェクトあたり平均3年の支援実績を持っています。
そのくらい長くお付き合いをするクライアントが多いのは、僕たちが掲げているビジョンやミッションから紐解いても事業と組織の成長を共に実現していくパートナーとして歩んでいく姿勢の現れでもあります。
この継続支援の取り組みにおいて、準委任契約での締結を前提とさせていただいており、業務範囲の定義はあるものの成果物を定義するのではなく、共に協働する中で、日々変化する事業活動の中からどんな課題を取り扱い、どう解決するかを共に考えながら支援を行うスタイルを取っています。

とあるプロジェクトでは、組織の年間のデザイン活動計画を一緒に立案し来期のデザイン組織としての戦略や活動目標を設定することもあれば、事業の立ち上がりで何を目当てにするかもわかっていない状況下で進むべき方向性を共にディスカッションしながら道筋を立てていく取り組みもあったりします。
どちらのケースも成果物を定義していては実現できないものであり、限りなくクライアントと同じ視点、立場で協働していく環境をつくれているからこそ実現できる支援のあり方です。

具体的な支援プロセスやケーススタディはCocodaさんでも今後リリースしていくのでぜひご覧ください。

プロダクトの成長に合わせたデザイン環境整備。Bizibl立ち上げにおける、デザインプログラムマネージャーの動き方

rootらしい支援スタンスを社内で広げるためのパートナーポリシー

こういった支援の体型がプロジェクトを通じて形成されつつある中、限りなくクライアントと近い当事者としての取り組みと、root組織として俯瞰的な立場から複数の事業を支援していく中で得られるナレッジを活かしていく活動を行うために、今年は組織全体の支援スタンスを揃える施策として行動規範の策定を行いました。

このパートナーポリシーの策定によって、rootの支援スタンスにおいて大事にしている価値観や状況を判断する基準を言語化したことで、実際に支援を行うメンバー個々が、ポリシーを体現し実践していくことでよりクライアントとの距離を縮め事業の成長にコミットしていけると考えています。

ポリシーの導入からまだ1ヶ月程度ですが、さっそくメンバーからは社内外問わずポリシーを意識した振り返りが行われたり、メンバー間でのフィードバックが行われるなど、rootらしい支援のあり方をそれぞれが実践しながら解像度を上げてくれており、組織の成長が進んでいきそうな実感を持っています。

rootがいたから共に事業成長を実現できたと言ってもらえる存在を目指して

このようにrootの支援スタンスは限りなく当事者となっていく取り組みによって成り立っています。立ち上がっていく事業と組織を共に作る仲間、よきパートナーとして当事者と俯瞰的立場の行き来をする存在でありたいと考えています。
中と外という概念ではなく、事業を共に成長させていく仲間として当事者視点を持ちながらコミットし、僕たちだから提供できる専門性として事業フェーズに応じたナレッジや組織学習を導入し成長に貢献する価値を提供していく。そんな輪を広げていきます。

まだ root の組織は立ち上がりはじめた発展途上のフェーズ、今後、支援レベルの水準や関わるクライアント組織の規模、種類を多角的に増やしていくことで、より事業成長の可能性を探求し面白いデザイン会社に発展していくことを想像しています。
来年も共に成長していく支援事業の数(ポートフォリオ)が増えていく中で、組織規模だけでなくナレッジやカルチャーといったコアになる基盤を作りながらこの活動の輪を広げていければと思います。

rootでは共にビジョン実現できる仲間を探しています!

私たちは、「Design Doing for More〜デザインの実践を個から組織・事業へ〜」をビジョンに、様々なフェーズのクライアントの事業と組織の成長を共に実現するデザインパートナーです。

クライアント支援の立場から、個社での実践経験から得られたノウハウや課題を、組織的にナレッジとして束ね、支援する各社へ還元し、デザインの活動領域を個人から組織・事業へ広げ定着を促すことで、持続的な事業の成長にデザインが活かされる組織を増やしていきたいと思われる方!

共に、Design Doing for More〜デザインの実践を個から組織・事業へ〜を実現していきましょう!
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代表取締役

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root 代表取締役 事業成長を実現するためのデザインをお仕事にしています。 プロダクト戦略、組織デザイン、UI/UXデザインが主な守備範囲です。 2歳児の父。子育て奮闘中。

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