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フラットなデザインチームで生産性を飛躍的に高める「心配事パーティ」とは?:Google Venturesのチームビルディング

この記事はGoogle VenturesのデザインパートナーDaniel Burka氏のブログ記事を公式に許可をいただき翻訳したものです。


Google Ventures(以下、GV)のデザインチームはちょっと変わってます。メンバーは6人。プロダクトデザイナー4名とリサーチャー、チームコーディネーターで構成されています。メンバーは全員、かなりシニアレベルのデザインの役職に就いたことがあり、経験豊富です(つまり、全員が「歳がいっている」ということでもあります)。全員がベテランなので、仲間同士といった感じです。トップで指揮をとる人は誰もいません。もしくは、全員が指揮をとっているともいえるかもしれません。

私たちはGVでかなりフラットな組織体制を維持しています。なので、自分のチーム内で自律的に仕事ができるという点では非常に恵まれています。多くの点で、これはすばらしいことです。ですが、フラットな組織というのはつまり、一般的な管理組織において通常得るような毎日のフィードバックがないという意味でもあります。

2、3年前のことですが、サンフランシスコにある私たちのオフィスで、四半期に一度のプラニングセッションのために、この小さなチームのメンバー全員がソファーに座っていました。チームワークをいかに改善できるかという話し合いの途中で、ジェイク・クナップは意を決したように切り出しました。彼は、自分のパフォーマンスに対して批判的なフィードバックを得られる機会が欲しいと話しました。彼は一般的なチェックアンドバランスが、自分の職業生活において欠けていると感じてました。その場の全員がうなづきました。皆がまったく同じように感じていたのです。何かが欠けていました。ですが、効果的なフィードバックを得るための最高の方法はとはなんでしょうか。

ピアレビュー?

最初の提案は至極当然のものでした。ピアレビューです。ランダムに選ばれた人が同僚のデザインパートナーのレビューに指名されるというもの。これはうまく行きそうです。ですが一つ問題がありました。一体なんについてお互いのことを評価すればいいのか? ジェイクがその点をうまく言葉にまとめてくれました。「批判的になりたくないというつもりはないんだけど、みんないい仕事をしていると感じているか、もしくは何かを言える立場にあるほど近い距離で日常的にみんなと仕事をしてないかのどちらかなんだ。みんなのことについて何を書いたらいいのか、正直分からないよ。」考えてみると、私もまた同じ課題を抱えていたし、他のメンバーもまたそうでした。

何のためのフィードバックか?

これには考えさせられました。フィードバックによって達成したい本当の目的はなんなのか? 自分たちの仕事に対する第三者の視点を本当に求めているのか、それとも実際は違うことを求めているのか? ジェイクのいう通り、私もまた同僚についてなにを書けばいいのか分かりませんでした。ですが、自分に正直であるならば、自分について彼らに書いてもらいたいことは分かっていました。心配事はたくさんあり、それらが根拠のあることなのか、それともただ自分の頭の中だけで悩んでいることなのかを知る必要がありました。

当時、私はいくつかのことについて心配で、夜中に不安で目覚めることがありました。チームの一員として自分が十分な仕事をできていないのではないかと不安でした(当時、私はデザインチーム全体から独立したいくつかのプロジェクトに取り組んでいました)。不安なことは他にもありました。コーチングのセッションでの自分のフィードバックが、あまりに自分の個人的な経験に基づいているのではないか。チーム全体が重要とはみなしていないことに、優先的に時間を使ってしまっているのではないか。もしくは、自分は批判的すぎで、ポートフォリオのデザイナーに対する自分のデザイン批評はもっと優しくあるべきではないか。まあ、そんなことに悩んでいました。こうした不安が頭の中を常にかけめぐっていました。

もしかしたら、私たちはピアレビューなどまったく必要なかったのかもしれません。本当に必要だったのは、自分の弱さをさらけだせる、自分の不安をオープンに語ることができる決まった時間だったのかもしれません。

そんなわけで、「心配事パーティー」をやってみた

私たちは静かな会議室で10分間、紙の上に自分が抱えている大きな不安をそれぞれ書き出しました。それから2分間、不安の深刻さのレベルに基づいてランク付けをしました。どの不安が一番の悩みか? そして、「心配事パーティー」を始めました。

1時間半、私たちは輪になって、交代で自分の不安を読み上げました。それから、その不安がどれだけ自分にとって問題であると感じるか、0(「問題であると感じたことがまったくない」)から5(「その領域で、改善が必要だと強く思う」)で同僚が評価しました。

結局、私たちが抱えていた不安の多くがまったく根拠のないものだということが分かりました。私は同僚に、自分のことをチームに不在の「一匹狼」であると感じたことがあるかとたずねました。全員が0か1の評価でした。同僚は私との仕事を楽しんでいましたが、時に数週間プロジェクトのために不在にしていても気にしていませんでした。ほっ!

一方、根拠に基づいた不安もありました。たとえば、私はカンファレンスやネットワーキングイベントを他のことよりも重視しすぎているのではないかと心配していました。実際、同僚もその点がひっかかっていたことが分かりました。彼らは3か4の評価をつけました。そして、私たちはその点のメリットとデメリットを話し合い、新しい計画を一緒に立てました。それはまるで、問題をオープンにすることで、新鮮な空気を吸い込んでいるかのようでした。

「心配事パーティー」は今では定期イベントに

今では心配事パーティーを年に二回行ってます。そして、少なくとも私にとっては、それはすばらしい役目を果たしています。かつて深夜に頭の中をかけめぐっていた物事について悩むことは少なくなりました。かつての悩みは、今ではほとんどが解決しました。そして、新しい不安もまた以前ほど深刻ではなくなりました。なぜなら、今のところはその不安を脇に置いておいて、次の心配事パーティーで議題に出せばいいと分かっているからです。

このやり方は、あらゆるチームにとってうまくいくものではない(可能ですらない)とよく分かっています。同僚に対して弱みをさらけ出すのは、通常では考えられないほど高い水準のお互いに対する信頼と尊重を必要とします。ですが、もし自分や自分のチームにはうまくいくかもと思われたら、ぜひ試してみて、その結果を #anxietyparty @dburka とつけてツイートしてください。

原文: How “Anxiety Parties” made our team more vulnerable and more effective
冒頭イラスト: “Panic Attack” by Elisabetta Stoinich
翻訳者: 佐藤ゆき

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