- date
- 2021.10.15
サービスのデザインリニューアルを行う前に、見るべき8つのチェックリスト
デザインの刷新が必要では?と考える際、リニューアルの狙いと事業計画をしっかり結びつけることがとても大切です。
サービスのリニューアルを検討するときに、事業計画とのひも付きが不明確だと、期待する成果が上がらず、コストをかけてリニューアルしたのに成果が出ないということも珍しくありません。
今回は、事業計画とデザインのリニューアルの狙いが合致しているかどうかを確認するための8つのポイントをまとめてみました。
UIやUXデザインに強みをもつrootでは、プロダクトやサービスのリニューアルに関するご相談をいただきます。その場合、必ずヒアリングのステップを踏んでから、プロジェクトプランやお見積をご提案しています。
その理由は、リニューアルを検討されている背景にあるはずの事業計画に対し、本当にその手段が適切かどうかを確かめるためです。リニューアルが適切な手段でない場合には、どういったことに取り組む必要があるか、改めて前提の整理からご一緒させていただくこともあります。
確認するのは大きく分けて「ゴール設定」「組織」「スケジュール」「予算」の4つ。それぞれ、どのような点を確かめる必要があるのかを順番に紹介していきます。
目次
ゴール設定に関して確認すべき3つのポイント
✅プロジェクトのゴール設定を適切に行えていますか?デザインのリニューアルを通じて達成したい目標や指標は明確になっていますか?
デザインを刷新するだけですべての事業指標を改善できるわけではありません。まずは、仮説でも構いません。達成したい目標や狙いを整理した上でリニューアル計画を立案してみてください。
✅リニューアル計画の立案にあたり、機能要件のみを検討していませんか?
リニューアル計画には、機能要件も大切です。一方でユーザーに関する要件も同様に大切です。改善案を立案する際には、実際にターゲットとしているユーザーのセグメントや、ユーザーの課題感やインサイトを加味できているか確認してみてください。
ユーザーに関する要件が抜けていると、リニューアル後も結果的にユーザーの要望が満たされない、便利な機能があるのにプロダクト自体を使ってもらえない、ユーザーが増えていかないといった課題が残ったままになってしまいます。
✅サービスの提供価値やターゲットを整理し、改善するべき課題が絞り込めていますか?
サービスの規模が大きくなり、ユーザーが増えるほど、利用者の属性やユースケースも多様化します。サービスをリニューアルする際には、多様な利用者のうち、だれのどんな課題を改善していくか、絞って考えましょう。
対象が定まることで、改善による効果測定がしやすくなり、成果も得やすくなります。一方、絞らず進めてしまうと、サービスの見た目が変わっただけであまり数字に影響がなかったという結果に陥りやすくなります。
自社の組織に関して確認すべき2つのポイント
✅プロダクトを開発するチームの体制、メンバーは決まっていますか?
サービスのリニューアルを推進するチーム体制について、必要な人員が確保されているか、確認しておきましょう。
一般的に、デジタルプロダクトのサービス開発現場では下記のポジションをチーム体制として持つ必要があります。
- PO / プロダクトオーナー :
事業責任者。事業における意思決定や決済を管理する役割。この役割は自社内に持っておく必要があります。 - PdM / プロダクトマネージャー:
リニューアルするサービスの仕様全般の把握、意思決定を担い、プロダクト開発チーム全体のハブとなる存在。
この役割についても自社内に持っておく必要がありますが、内部で経験者がいない場合には、外部パートナーに一部の役割をカバーしてもらう体制で進行することも考えられます。 - デザイナー:
視覚的な表現だけでなく、リニューアルの目的や改善要望からユーザー体験イメージの具体化や設計が行えるメンバーがいる場合には、デザイナーとしてアサインすることをおすすめします。企画工程段階から仕様設計の精度を上げやすく、検証や開発要件を具体化しやすくなります。 - エンジニア:
開発規模や技術構成によってアサインされるメンバー数や役割も異なってきます。企画段階で大まかな仕様設計、見積などを担えるエンジニアリングマネージャーがいると、開発計画や全体のプロジェクト計画を精度高く設計することができます。
✅デジタルプロダクトの開発経験を持っている人材がチーム内にいますか?
機能要件や開発計画の立案や実行は流動的になりやすい傾向にあります。そのため、計画を柔軟に変えながら開発していくアジャイル開発の経験がある人材がチームにいるとプロジェクトの滑り出しがスムーズになります。
もしアジャイル開発の知見が内部にあまりない場合には、アジャイル経験のあるパートナーとプロダクトマネジメントの役割を分担する形で体制を整えることをおすすめします。内製ですべてをやりきろうと考えるのではなく、自社にある知見を活かしながら、適切に開発進行を行える体制を構築することが大切です。
スケジュールに関して確認すべき2つのポイント
✅スケジュールに対して、開発の工数などは見積もっていますか?また、その見積もりから開発のロードマップに落とし込みはできていますか?
経験がないと、具体的かつ現実的な開発スケジュールを策定することは難しいかもしれません。
その場合には、対象とする開発計画の中でも優先すべき項目や改善イシューに優先度をつけておくことが大切です。実際にスケジュールをひいた際に工数に収まらない機能や項目がでてくるかもしれません。優先度をつけておくことで現実的なスケジュールへの落とし込みがしやすくなります。
✅企画からデザイン、実装の工程に「検証」は含まれていますか?
プロジェクトの初期段階でラフなプロトタイプの作成やユーザーテストを実施しておけると、後工程での手戻りを最小化できます。
ウォーターフォール型の開発工程においても、企画段階で検証を実施するタイミングを設けておくことをおすすめします。その後の制作工程の工数見積の精度もあがり、リニューアルによる効果を上げやすくなります。
予算に関して確認すべきポイント
✅得られる成果の確からしさと投資する予算の釣り合いは取れていますか?
一般的には、事業計画に対しサービスのリニューアルで期待される効果を予測し投じられる予算が決まっていきます。
明確に効果が予測できない場合には、最初から大きな予算で開発計画を引く必要はありません。不確定要素の高い工程だけ小さくプロジェクト化し、少ない予算で検証を経てから、効果に見合った予算を開発に投じるという方法もあります。プロジェクト全体の進め方や各工程の認識を揃えやすく、ミスコミュニケーションや手戻りも削減できます。
予算が決まってしまっている場合には、リニューアルにおける施策や改善に優先度を付けておいていただけると、それにあわせてプランニングからご相談にのりやすくなります。
成果を残し、成長へ向かうためのご相談なら、rootへご連絡ください
以上、サービスのリニューアルを検討する際にチェックすべき8つのポイントを紹介しました。rootではご相談いただいた際にこうした観点でプロジェクト要件の整理を行いながら、丁寧にヒアリングを実施し、進め方をご提案しています。
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