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プロダクト開発の人手が足りなくてデザイン会社にお願いしたい。どの会社にお願いしたらいいの?

プロダクトの立ち上げ期は、とにかくリソースが足りません。初期の立ち上げがうまくいき、成長フェーズに入っても人手不足の問題はつきものです。

プロダクト開発のために必要なデザインを内部だけでカバーすることは難しい場面も多く、「外部のデザインパートナーにお願いしよう!」と考える事業責任者、プロダクトオーナーは珍しくありません。

ただ、そう思ってデザイン会社を調べてみたものの、どこにお願いするべきかの判断が難しい。本記事ではデザイン会社への相談を検討する際のポイントをまとめてみました。「プロダクト開発において、デザインをどの会社にお願いするべきか」を考える際の参考にしてみてください。

ユーザー体験の5階層を参考に、依頼したいデザインの範囲を明確にしよう

何かの依頼を検討する際には、複数候補を比較する方が多いと思います。しかし、デザインの依頼において複数候補を比較検討するのは困難です。一社ずつにオリエンテーションして、プロジェクトプランと見積りを出してもらって…。比較するにも、手当り次第に候補を探していては時間がかかりすぎてしまいます。

開発スケジュールに間に合わせるために、急ぎ人手が必要という場面だったら、比較検討に時間がかかってしまっては本末転倒です。ある程度、候補を絞った上で比較検討できたほうが効率がよいですよね。

候補を絞るにあたり、まず把握しておきたいのは依頼したいと考えているデザインのフェーズはプロダクト開発におけるどこからどこまでか。今回は、ユーザー体験の5階層を用いて、お願いしたいフェーズの捉え方について紹介します。 

ユーザー体験の5階層は、Jesse James Garrett 氏が考案し、著書「Elements of User Experience」で提唱した概念です。この概念では、ユーザー体験が5つの要素から構成されていると示されています。また、この5階層はデザインの対象であり、「ユーザーの目に触れる表層部分を作るだけではない」ことも表しています。

「どの対象をデザインしてもらいたいのか」の認識ができていないと、どのデザイン会社に依頼するのがいいかを考えるのも一苦労です。まずは、依頼したいフェーズを考え、それをもとにデザイン会社を検討するのがいいでしょう。デザイン会社によって、どのフェーズのデザインが得意かが異なるので、依頼したいフェーズを把握しているだけで依頼先の解像度はぐっと上がります。

次は、各フェーズごとに依頼時のポイントをみていきましょう。

5つのフェーズごとに異なるデザイン依頼のポイント

表層・骨格に困っている場合

バナーやUIデザインといった目に見えるスタイルの部分のみを依頼したいという場合、表層・骨格の階層に該当します。この場合には、提案できるスタイリングの幅や品質の高さに強みをもち、アウトプットのバリエーションが豊かな会社に依頼するのが良いでしょう。

要件定義から表層に困っている場合

このフェーズから依頼したい場合には、UIデザインだけでなくUXデザインに強みをもった会社に相談するとマッチングがうまくいくかと思います。「要件をまとめないとお願いができない」と思っていませんか?実は、要件定義を行うためのリサーチや情報整理はデザインが得意とする領域です。困ってはいるけれど、解くべき課題かわかっていない場合、プロジェクトをはじめる前に課題の探索をしなければなりません。そのためには、ユーザー調査や情報整理といったUXデザインのスキルが必要になります。

また要件定義よりも前にお声がけいただく方が、デザイン会社にとってはインプットの負担や手戻りが減らせる可能性もあります。

戦略やさらに抽象的なビジョンで困っている場合

ビジョンを描きたい、戦略に困っている場合、ビジョン構築やブランディングに強みがあるデザイン会社にお願いするのがよいかと思います。その中でも、自社に適したデザイン会社とマッチングするためには、「何のためにビジョンを策定したいのか」から考えてみる必要があります。

例えば、rootではスタートアップやベンチャーといったお客様のプロダクトビジョン策定をお手伝いしています。創業期〜成長期にかけてのスタートアップやベンチャーの場合、プロダクト開発の目的となる「ユーザー主語」でのビジョンが重要になります。また成長速度が早いため、短期間でビジョン策定を行う必要があります。この場合にはユーザー調査や情報整理といったUXデザインのスキルに強みのある会社や、プロダクト開発の現場に土地勘のある会社がおすすめです。

一方で、大企業であれば同じビジョンを考えるというフェーズでも「新規事業創出や組織開発を行うために数十年後の社会における自社の存在意義を定義したい」といった場合もあります。長い時間軸に耐えうるビジョンをつくるには、時間をかけて歴史分析や未来洞察といった緻密な分析を行う必要があります。こちらの場合にはデザイン会社の他にも、イノベーションファームやブランディングファームを候補に含めて探してみるのがいいでしょう。

デザインの依頼は中長期に渡る場合も

事業が成長していくにつれ、事業が抱える課題も変化します。顕在化した課題だけでなく、見えない部分に課題が増えていく場合もあります。その場合、ユーザー体験の5階層のうち想定していた範囲を超えた箇所に課題を抱えている可能性も。

5階層のうち、抽象に近く、より本質的な課題を解決していきたい場合には、支援の期間も依頼先選びのポイントになります。短期間での課題解決に取り組む形式ではなく、事業に伴走する「伴走型」の支援であれば、事業フェーズによって変化していく課題に対して柔軟に解決策を提案できます。

たとえば、創業期であれば、ユーザー目線の担保に課題があることが多く、ユーザー調査やユーザーテストを担うような動き方をとります。一方で、PMF期にはユーザーが多様化し、要望が増え、開発のフローが煩雑になるという課題が起こりがちです。この場合、ニーズの優先順位付けや、属人化していた部分の仕組み化やデザインシステムの構築といった内部情報の整理を行うことが必要になります。

このように事業フェーズにあわせてデザインで支援する範囲を柔軟に変えられるのが、伴走型支援の強みです。アジャイル開発や、Lean UX、デザイン思考を自社組織に導入したいといった相談をいただく場合にも、チームの状態や事情を踏まえた導入支援がしやすいといった部分で伴走型のメリットがあります。

rootは、具体的に依頼内容がわからないフェーズから関わり、要件定義から表層までをカバーしながら事業に伴走する支援を得意としています。デザインでお困りの際は、ぜひお問い合わせください。

以上、UXの5階層からお願いしたいフェーズの捉え方と依頼先の見極め方を簡単にご紹介しました。過去には具体的にデザイン会社をご紹介した記事もあるので、よければ合わせて参考にしてください。

プロダクトやサービス、組織のデザインを依頼できるUI/UXデザイン会社10選

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